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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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27―2 【若】

 【若】は象形文字。巫女が長い髪をなびかせて、両手を挙げて舞い、神のお告げを求めている姿だとか。
 さらに具体的に言えば、草冠が挙げた両手の形。
 そして神が乗り移り、巫女がうっとりした状態にあるのが【若】ということらしい。
 うーん、なるほど、神がかってるとなるが、いや、むしろ色っぽい漢字かな。

 だが、こんな【若】、読み方はいろいろある。
 音読みは(ニャク、ニャ、ジャク、ジャ)、例としては「老若男女」、「般若」、「泰然自若」、「若干」がある。
 そして訓読みでは、(わかい)に(もし)。
 もし天気が晴れたら……、この(もし)が「若し」なのだ。

 なぜ(もし)が「若し」なのか、この仮定の(もし)に【若】の漢字が充てられたのか調べてみたがよくわからない。
 ならば電話で「もしもし」、これは「若し若し」と書くかなと思ったが、これは「申す申す」から来ているそうな。

 やっぱりね、【若】、神がかって神秘かな?