漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
21―5 【四】
【四】、算木を四本重ねた形だそうな。
そんな【四】を使って、四つ葉のクローバー(four-leaf clover)がある。そして、四つ葉には「四つのH」があるとか。
それらは――ホープ(希望)、ハピネス(幸福)、ハート(愛情)、ヘルス(健康)。
良いこと尽くめだ。
その上に、花言葉は――「Be mine.」
要は「私のものになってください」と自己中的なもの。
そんなクローバー、普通は白い花で、和名は「白詰草」(シロツメクサ)。
昔、オランダ人がガラス器を日本に運んだ時、クローバーの枯れ草を緩衝材として詰めて使っていた。だから、「白詰草」と言う。
ホーと感心するしかない。
だが中に、赤い花のクローバーもある。その和名は「紅花詰草」(ベニバナツメグサ)。
これもやっぱり「詰草」だ。
これも緩衝材として使われてたのだろうか?
それとも和名「白詰草」の横滑り?
いずれにしても、花言葉は「特に言葉はありません」だとか。
要は、白いクローバーは「私のものになってください」と詰め寄り、赤いクローバーは「特に言葉はありません」という返事。
大変結構な流れだと思うが、とにかく【四】という漢字、算木のように、いろいろと話題が絡み合って行くようだ。
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊