漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品
20―5 【旅】
【旅】、吹き流しの旗竿を掲げて進む軍団、その出向のこととか。
大袈裟な話しだ。
しかし、人は時として、吹き流しを掲げずとも、ふらっと【旅】に出たくなる。
この漢字一文字の旅、みなさまとご一緒に旅を続けている。
だが本当の旅となると、さてさてどこへ行ってみようかと……、そこから始まる。
信州? 北海道? それともハワイ? いや、ヨーロッパ?
いろいろな選択がある。
さてさて本編では皆さまに、神社仏閣はないが、「隠れ名所」をご紹介しよう。
地名(1) ヤリキレナイ川
今の世の中に不満を持つ人にお薦め。
北海道石狩川の支流に「ヤリキレナイ川」がある。
そこで、「ヤリキレナイよ、まったくー! ヤリキレナイよ」と、
ぶつぶつ呟きながら散策する。私情(詩情)満点となる。
地名(2) 南蛇井
群馬県の高崎駅から上信電鉄に揺られれば、小さな駅に到着。
改札を出れば、そこには田舎ののどかな風景が。
そして、思わず関西弁で叫んでしまう。「ここは──ナンジャイ!」
地名(3) タットケー
人生は喜劇だ。
それを再確認したい、そんな旅に出たいと思いませんか?
ベトナムの「タットケー」、この地こそ究極の吉本的笑撃の地。
食事で座ってても、タットケーと言われます。
いずれにしても、【旅】はさまざまだ。
しかし、死ぬまでに一度は行ってみたい──タットケー!
作品名:漢字一文字の旅 紫式部市民文化特別賞受賞作品 作家名:鮎風 遊