小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

INDEX|139ページ/269ページ|

次のページ前のページ
 

20―3 【雷】

 【雷】、雨に雷鳴の重なり連なる様を表した漢字だとか。
 そして、日本神話では【雷】は神様の一つ。その雷鳴を――「神鳴り」(かみなり)と呼んでたらしい。 

 六月から七月に、毎日雨がシトシトと降り続く。だが終わりとなると、「梅雨中の雷は晴れ近し」と言われる。
 梅雨前線が北上し、南の高気圧が張り出してくる頃、熱雷が発生する。雷が鳴り、そして晴れ上がり、梅雨明けとなるのだ。

 しかし、そんな【雷】、時としてゴロゴロドーンと落ちる。恐ろしいものだ。
 「くわばら、くわばら」
 昔からこんな呪文を唱えると、落雷除けに良いと言われてきた。

 平安時代、藤原道真(ふじわらみちざね)は流刑された。 
 そして、その恨みをはらすために道真は雷神となり、宮中に幾度も雷を落としたと言われている。

 だがこんな呪われた状態にあっても、「桑原」と言う道真の土地だけは落ちなかった。
 それ以来のことだ。「くわばら、くわばら」と、呪文としてその地名が唱えられてきたとか。

 「地震・雷・火事・オヤジ」
 昔からこれらが世の中の怖いもの。
 そして現代は「オヤジ」が格落ちし、「地震・雷・火事・原発」だとか。
 だが【雷】は、今もっても堂々の上位ランキング。

 いずれにしても、最近は天候不順。時節に関係なく雷が鳴る。今宵も就寝前に呪文を唱えておこう。
「くわばら、くわばら」と。