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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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19―3 【輝】

 【輝】は「光」と「軍」の組み合わせ。
 「軍」は円陣をえがいた軍営。光の中心をまるくとりまいた「ひかり」だとか。

 なにかもう一つよくわからないが、そこから「かがやく」となったそうな。
 英語では「brilliant」(ブリリアント)。響きの良い言葉だ。

 You are always brilliant.
「あなたは、いつも輝いてるわ」
 男として、一生に一度、好きな女性から言われてみたい。そんな言葉なのだ。

 そして、話しは飛ぶが……、アフリカの最高峰は標高5、895メートルの「キリマ・ンジャロ」。
 はいはいはい、「キリマン」…「ジャロ」ではないでっせ。
 「キリマ」…「ンジャロ」ですから、ご注意を。

 この「キリマ・ンジャロ」という言葉、実はスワヒリ語で、「キリマ」が山で、なんと『ンジャロ』が――【輝く】と言う意味らしい。
 そして、キリマ・ンジャロの麓では、「あんさんがサバンナを駆ける姿、いっつも『ンジャロ』やわ」と女性は囁くらしい。
 これ、きっとホント。

 そして、そのキリマ・ンジャロの麓に、20万年前に住んでた女性が、「ミトコンドリア・イブ」さん。
 人間の細胞の中に、エネルギーを生み出す小器官がある。それがミトコンドリア。そのミトコンドリアのDNAは、女性だけが代々引き継いで行くものなのだ。
 したがって、その同じDNAで、母親の母親の母親のと遡って行くと、20万前にキリマ・ンジャロの麓に住んでいた女性にぶち当たることになる。

 だから、自分の母親の、その母親の母親……が、ミトコンドリア・イブさん。
 その一人の母親から、今日の私たちがあるのだ。

 一体どんな女性だったのだろうか? 興味があるところだ。
 しかし、わかっている。
 きっときっと【輝】いた女性。

 いやいや──、『ンジャロ』なレディ──だったのだ。