小悪魔メフィとファウスト博士
誘惑の砦
"金"か?"権力"か?"力"か?
それともまさか…"友情"か?
博士が友情なんてものを大切にする人間とは思えないが…
あるいは"愛情"…愛情は一過性のものだ。
が、時には命よりも重いからな。
"愛に死ぬ"この台詞を何度聞いたことがあるだろうか
"愛する人はいますか?"という質問に、俺なりに答えをつけさせて貰うとすれば
「「人間なんて皆同じ。皆愛おしい。
いつでも誰でも愛そうと思えば愛せるさ。」」
と、こう答えるだろう。
しかしそれは単なる愛する"フリ"だ
分かっているんだよそんなこと。
それでもそれしかできないのさ。
本当の…いや、真実の愛というやつは、むしろ"俺側"の愛のことだろう?
だってそれが愛情の真実なのだから
綺麗事はごめんだぜ
皆が一同に言う心からの愛というやつは、俺には全く理解できないのだ。
博士もきっとそうだろう?なぁ?
あいつは一体何を守っている?
平凡?安定?違う
偽物の愛…いや、人間にとってはそれが本物の愛というやつなのか…
あいつは嘘をついている
彼がが守ってるものもきっと…
あいつは俺と本質が似ているのに
なぜこうもすれ違う?
お互いがお互いの天邪鬼になっている気さえする。
1つの点…
俺らの最大にして唯一の違いはおそらく…今まで生きてきた道標…そしてそこからみえる未来への道標だ
悪魔の俺が偉そうには言えないが、俺の人生は地獄そのものだった。
ここ人間界に来るまでは、遥か地下深くの暗闇の中で苦痛に身を委ねていたのだ。
勿論得たものなど何もない。
もし唯一あるとすれば、それは知恵だ。
苦痛の中で生き抜く知識
なにせ地獄だ。
"本能"に勝るものなど何もないに決まっている。
そんな場所で自分を守るものといえば、知恵をつけることぐらいしかなかったのだ。
だから言ったろう?
俺と博士は似ていると
中身は違えど求めてるものは一緒だ。
まぁ俺の"本質"は知識より暴力の方が好むがね。フッフッフ まぁいいさ。
暴力…暴力とは人間なら誰もが少なからず好むものでもあるのだけれど…その話はまたいつかしよう。
それでは次なる作戦に出るためにこの辺で失礼する。 see you by mephi
作品名:小悪魔メフィとファウスト博士 作家名:甘楽