小悪魔メフィとファウスト博士
恋の奴隷
「お前彼女いるだろ?…いや奥さんか?」
「いねぇよ」
「嘘をつけ。平和を好むということはだ、
そういう"普通の幸せ"というやつを望んでるということだろう?
いや、すでに手に入れてるのかな?」
「…何が言いたい?」
「いや別に何も!"まだ"何も言っていないじゃないか。しかし、嘘は良くないな嘘は」
(お前が言うか…)
「どうだろう?もし"俺の力"でお前と彼女が切り離せるとしたら?」
「…そんなことあるわけない。」
「そうかねぇ…人間なんて結構脆いもんだぜ?」
「お前がそういう面しか見てないだけさ悪魔よ。人間はお前が思ってるほどやわじゃない。」
「食いつくねぇ!もし出来るとすれば?」
「…魔法でも使う気か?」
「まさか!空すら飛べずに落ちた俺にそんな能力あるわけないだろう!
それに魔法だなんて…ここは人間界だぜ?
もしあるとすればそれは見掛け倒し…幻に過ぎないさ。
人の心を動かすのだって表向き素晴らしい言葉に聞こえるが、実際はただの洗脳さ。
お前だって心理による真理を好む身だろう?
でもね…お前の愛しい人を振り払うぐらいのことなら出来るぜ。
「…なんだと?」
「何、簡単な話さ。興味の対象を他の何かに移せばいい。
好きとか嫌いとか、たかが一瞬で砕け散る感情の何が信じられる⁈
問題は"興味"だよ"興味"!それに尽きる!
それが全てだと言っても良いだろう」
「俺は揺らがない」
「さぁどうだか!
俺は今ここで宣戦布告してやるよ!
お前の大事なもの全てをぶち壊してやるとね。
そしてお前の"大切"全てを俺の奴隷にしてやるさ。
俺は言ったからな⁈じゃあな
また会おう」
もう2度と来ないで欲しいところだ。
嵐が去った気分だな。全く。
それに、何が奴隷だ。あいつが俺の恋の奴隷になってることにさえ気付かないなんてとんだ阿呆だな。
悪魔って人種(?)は皆阿呆なのだろうか…
少し印象が変わったな。
まぁ出来るものならやってみな。
どうせお前には何一つ出来やしないだろうよ。
作品名:小悪魔メフィとファウスト博士 作家名:甘楽