小悪魔メフィとファウスト博士
愛の喜び
メンタル(自我)とは一種の強さだ。
しかしそれゆえに自分の身を滅ぼすこともある。
自分を愛する?…愛するとはなんだ?
自分の力量…つまり知識と技術を信じることだろう。
自信こそが愛そのものなのだ。
おっといけない…いきなり話が脱線してしまったね。
「お前の望みはなんなんだ?」
「前にも言わなかったかい?」
「あれは嘘だろ?」
「半分正解さ」
「残り半分が聞きたいな」
「悪魔に望みを聞くのかい?」
「いや…やっぱりやめておくよ。
因みに俺の夢は世界平和かな」
「嘘っぱちだな」
「俺も嘘つきなんでね」
真っ暗な世界…一人の孤独な時間は、黒いのに真っ白だった。
俺にとってはそれこそが本当の地獄だと思っていたよ。
しかし愉快でもあるにはあるんだ。
なぜなら全てが自由だからさ。
今思えば、自由ほど不自由なものはないがね。
そこでようやく見つけたのがお前。
光?そんな綺麗なもんじゃない。
俺と同じ、楠んだ黒褐色の点だった。
俺の分身…いや、孤独と真理を心の底では愛す、俺と同じ価値観の"人間"さ。
作品名:小悪魔メフィとファウスト博士 作家名:甘楽