小悪魔メフィとファウスト博士
人生の博打
「お前から俺を呼び出すなんて一体全体何があったんだい?
明日地球は爆発でもするのかい?
だから最後にこの俺の格好良い姿を一目見ようと…」
「ちげーよバーカ」
「じゃあどうした?まさか女をほっぽり出して俺と一緒にラブラブランデブーしたくなったとでも?
…ところで、ついでに俺はバカじゃない。訂正しろ。」
(冗談通じない奴だな…まぁ本気で言ったんだけど)
「お前のことを観察してやろうと思ってな。どうすれば悪魔という存在を闇に葬れるかをな」
「フ...フハハハハ!人間が悪魔を観察だと?その上この世から存在ごと消したいと来た!
笑わせてくれるな!
そんなこと出来るとでも?
この俺が!お前の前で悪魔の弱みを見せるとでも?」
「勝手に探させてもらうさ。何せずっと一緒にいるのだろう?
俺は決めたよ。目障りなお前という悪魔…早くお前の存在を消して俺が本当に心から望む平和な暮らし…"幸せ"な生き方に戻るのさ。」
「幸せねぇ…所詮キレイ事だな。
お前結構ロマンチストだろ?
夢見てるのはお前の方なんじゃないのかい?」
「とにかくそのために俺はお前といる必要がある。」
「そーかいそーかい。俺を消すために俺と居たいってか。
それでお前の"大切"を守り続けられると?
フフ…お前やっぱり面白えな!
俺は益々お前が好きになっちゃったよ!」
「気持ち悪いな」
「全くだ」
こうして少しは意気投合…(むしろ反発?)した二人は、冒険の旅…ではなく人間界の地獄巡りに出ることになった。
当然、その案内人…地獄への導き手は悪魔なのだけれども。
作品名:小悪魔メフィとファウスト博士 作家名:甘楽