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20世紀に思う

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 ソ連という国家は1922年に「社会主義の父」と呼ばれるウラジミール・レーニン(1870~1924)の指導でロシア革命により従来のロシア帝国(ロマノフ王朝)を打ち倒して建国された、世界初の社会主義国家。そして1991年に解体されるまで、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン等の10数国の共和国から成り立っていました。前章にある宇宙船ボストークが打ち上げられたところもソビエトでありますが、現在のロシアではなくあれはカザフスタンであり、昭和の終わり頃にあったチェルノブイリの原発事故もあれはウクライナでの出来事です。つまりはロシアを始め、その理念に同調した国々が一つになってソ連という連邦を形成していったわけです。21世紀でいえばEUがそれに近いでしょうか。

 ここでキーワードになるのが

   「社会主義」

という言葉です。20世紀を説明するのにこの社会主義という考え方は外せないところです。
 20世紀の勢力を二分した社会主義と資本主義。上記の通り、1922年に初めて社会主義国家が誕生しました。米英をはじめとする資本主義国家と違い、国が経済のべてを管理し運営していくわけです。ですから、基本的に国民に貧富の差はなく、仕事も住む場所も国家が決めることもあります。
 個人で頑張ったら頑張っただけの報酬が得られる資本主義経済の考え方とは違い、国家全体で産業を管理するわけですから基本的に貧富の差はなく景気の波に関係なく計画を進められるという利点があります。その時代の世界で大恐慌(1929年)が起こった時もその影響を受けずに他の(資本主義)国家が国力を落としていく中で力を付けていったことで社会主義の理念が世界で受け入れられ、戦後は世界を二分する勢力になったのです。資本主義の国家ほど自由はありませんが、計画的に国家の事業が進められるのです。

 宇宙有人飛行を最初に成し遂げたのも、異次元的な強さを誇るアスリートを多数排出するのも国という最大単位の団体が運営するから大きなことも成し遂げられるというのです。
 見方によれば理想的な国家体制だったといえます。国のルールに従って一生懸命してれば食いっぱぐれることがないわけですから。

作品名:20世紀に思う 作家名:八馬八朔