20世紀に思う
南極は人が住める環境ではありませんので、領土権を主張する「占有」は難しいところがあります。しかし、ここに地下資源が眠っているとわかればこぞって領土を主張する国も出てきて、最悪の場合戦争だって起こりうるかもしれません。そうでなくても領土拡大のために21世紀の科学技術を使い自然に逆らって移住を試みてこの地の環境を破壊することも考えられます。
現在のところどの国も条約によってこの地の中立を固持し、その先にある世界全体の平和を保とうとする意思があるのだと前向きに解釈したいと思います。つまり、南極大陸は地球の南の果て、紙の地図でいえば底辺にありますが、それでも人間が決めた「国」の概念にとらわれずにどの国に対しても中立で地球全体の平和をしっかりと見守る象徴ではないかと著者は思います。これからも、ここで争いの血が流されないように努力したいものです。
だからこそ著者は地球の住民の一人として、この地には一度でいいので行ってみたいと長年来思っているのです。