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20世紀に思う

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二 地球の果てにある平和 8月24日著



 21世紀の現在では、おそらく世界中のどこへも行くことが出来ますが、20世紀になってから行くことが出来るようになった場所もたくさんあります。今回はそんな世界の果ての話をしたいかと思います。
 
 皆さんは、行ってみたい地球上の場所はどこですか?
 国内、海外、南の島、古代遺跡、洗練された都市、自然あふれるジャングルなど人によってさまざまだと思います。著者は変わり者ですので、死ぬまでに一度でいいから行ってみたい場所というのがあります。それも30年来自分の中のランキング1位を守り続けている場所です。それが今回お話する「南極」なのです。

   * * *
 
 現在では誰でも一応いけるようになった南極、ここも20世紀の初頭は未開の地でした。
 今でも地球儀だったら軸に邪魔されて全景がよく見えないし、平面の地図所謂メルカトル図法で描かれたら下の方で長く横に広がっていて、同じ地球上の場所なのに何かとないがしろに扱われる南極、これには深いワケがあるのです。
 今回はそんな南極の20世紀について思った事を綴ってみたいなと思います。

 冒頭の通り、南極に大陸があるのは昔から知られていました。もちろん、地球が丸いことも。しかし、地球の南の果てである南極点に到達した人類は当時誰もいなかったのです。気候的にも技術的にも当時の人類の叡知では到底たどり着けるような場所ではなかったということです。それだけ人類はもちろん、生物が生命活動を行うような環境ではないということなのです。

 現在は南極点のすぐそばに観測基地があります。そこで様々な研究が行われています。そして観光旅行もできるそうです、ただし費用は莫大にかかる上行ける保証もないそうですが。それだけ人類の科学と技術は進歩したということです。

 人類の南極点到達について簡単に紹介しますと、20世紀の初頭、帝国主義の世界において未踏の土地を占有した者(国家)はその領有権を主張できるということから各国は世界中を探検していました。その最終地点の一つが南極大陸だったのです。各国は南極を自分のものと主張すべく、南極点をゴールとしたレースが始まったのです。
 その競争は最終的にノルウェーの探検家ロアルト・アムンセン(1872~1928)隊とイギリスの軍人ロバート・スコット(1868~1912)隊のデッドヒートとなりました。ちなみに同時期、日本の白瀬 矗(しらせ のぶ)率いる一行も南極点を目指して探検をしています。しかしながら、南緯80度のところで断念しています。
 1911(明治44)年12月14日、アムンセン隊が南極点に到達したことで南極点レースの勝者はノルウェーに軍配が上がりました。続いてスコット隊も翌年の1月に遅れて到達していますが、帰路で吹雪にあって生還できませんでした。
 それから時代は流れ、1956(昭和31)年に南極点のそばにアメリカがアムンセン・スコット基地を建て、現在もそこで観測や研究が行われています。ここでしか見られない現象やここでの生態系、オゾンホール等の環境に関するものや、この位置からでしか見られない天体の観測が行われ、他には磁極があるということで宇宙から隕石が磁石の力で南極にはよく落ちてくるそうです。
 というように例をあげればキリがありませんが南極は科学的にとても魅力のある場所なのです。人類の将来のため色んな発見をして欲しいものです。

 前置きが長くなりましたが、この南極大陸には現在の地球の「平和」について大きなヒントがあるのです。

作品名:20世紀に思う 作家名:八馬八朔