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20世紀に思う

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三 冥王星 9月1著



   水金地火木土天海冥
   水金地火木土天冥海

 日本人なら一度は聞いたことがあるこのフレーズ。これは太陽系の惑星を太陽から近い順に頭文字を取ったものだ。二通り覚え方があるが、どっちも正しい。図鑑か歌詞か番組か、ソースは定かでないが私は子供の頃に聞いたこの語感が好きで、これが天文に興味を持つきっかけとなったようだ。
 最後の「海冥」と「冥海」が入れ替わるのは「冥」の頭文字、すなわち冥王星の軌道が他の8つの惑星と較べて中心が大きくずれているため、ある一定の時期は海王星よりも太陽に近くなることがあるためだ。冥王星の一年はおよそ238年。1930年、アメリカ人天文学者クライド・トンボー(1906~1997)により発見されたこの天体は20世紀の終わり頃の20年弱の間は海王星より太陽から近い位置を回っている。であるから、21世紀の現在においては、

   水金地火木土天海冥

と称するのが正解である。次に「冥海」になるのは計算すると23世紀に入ってからになるだろう。
 20世紀の後半に教育を受けてきた方々はこの冥王星という、月よりも小さな遠い遠い星に愛着を持っている人は私含めて多いだろう。それには様々な要因があると思う。

作品名:20世紀に思う 作家名:八馬八朔