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20世紀に思う

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四 人類、地球を飛び出す 9月9日著



 私たちが住んでいるのは地球という太陽系の第三惑星です。当たり前のことですが、生き物はこの一周4万キロの球体の上に生息していて、その外つまり宇宙では生き物は基本的に生存できそうにないことは広く知られています。
 ――と当たり前のようなことを言っているようですが、これが「当たり前」であると認識されたのは20世紀になってからのことなのです。それ以前の世界では火星には火星人が、金星にも生物がいると推測されていました。地球上の世界においても人類が未到達のところは無数にありましたし、当時は海の向こうに行くことさえ躊躇された時代でした。それが20世紀になってから人類は南極点に到達し、その探究心の矛先は地球だけではなくその外に向かうようになり、人類はとうとう地球を飛び出してしまったのです。
 1961(昭和36)年4月12日、ソビエト連邦が打ち上げた宇宙船ボストーク1号が人類史上初めて宇宙への有人飛行を成し遂げました(それ以前には犬やサルで実験したそうです)。その時に乗船した宇宙飛行士がユーリィ・ガガーリン(1934~1968)というソビエトの軍人でした。

 それから宇宙開発は次々と発展し、これはアメリカですがその8年後(1969年)には人類は月にまで到達しています。有人飛行に関わらず惑星探査機なども次々と打ち上げられて、火星や金星には人類の作った物が地表に着陸しましたし、20世紀のうちに八つすべての太陽系惑星に探査機が接近をしました。

 しかし21世紀の現在、日本人の船長が誕生し話題になったロシアの宇宙ステーションはありますが、以後人類は月には行ってませんし、当面はその計画もないそうです。というのも、技術が発展したのでわざわざ人間を現地に送り込まなくてもロボットを使ってモニターで作業をすれば足りるので、危険を考えてもそちらのほうが効率的でいいようです。20世紀生まれのアナログ的な人間の著者にとってはいささか寂しい感じもしますが、それが将来の発展に好影響を及ぼすものであればそれでいいのかなと思います。

しかし、宇宙への有人飛行計画が全くないわけでもなく、
「2040年までに人類を火星に到達させる」
という壮大な計画も上がっているそうです。とはいうものの、現実を考えたらなかなか実現できそうにないそうです。著者の本音を言えば生きているうちに是非見てみたいなと思うのですが。

 残念だと思うのは、人類の技術がどうこうの問題ではないということです。人類の将来を託した壮大な計画は科学者だけの問題ではないのです、金銭的な問題とそれにまつわる政治的な問題が科学の発展に影響を及ぼす大きな要因になっているということなのです。

作品名:20世紀に思う 作家名:八馬八朔