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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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寝ろといわれて簡単に寝れるか、という二人だったが、朝ごはんをたらふく食べたからか、座布団を枕にして小一時間ほどで眠りに落ちてしまった。
瑞は二人のそばで、昔に同じことを先々代がやってのを思い出していた。あれは生霊退治のときだったように記憶している。夢というのは人間の手が及ばない領域であり、それは同時に未知の力であれば介入できることも示している。

神末の当主は、この夢を扱うことにも長けているのだ。

「おまえ、俺には話す気なさそうだしな」

同じように静かに座る少女に語りかけてみる。雪也以外をまったく信用していない様子の彼女は、瑞の言葉にも大きな反応を示さない。ただじっと俯き、眠る雪也に視線を落としている。

「俺はどちらかといえばお前の方に近しい存在なんだぞ。少しくらい信用してくれよ」

少女がふっと視線をあげて瑞を見る。幸薄い、というのは失礼かもしれないが、おおよそそう呼ぶに相応しい顔立ちだ。暗い目に光はない。渇いた唇は閉じられ、乾いた髪の毛が耳を覆い隠している。

反応、した?

「なぜ死のうと思ったんだ?」

少女は枯れた枝のような人差し指をくちびるにあてる仕草を見せた。

「秘密?」

首を振る少女。

「言えない?」

反応しない。