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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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窓のむこうは 続・神末家綺談7

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サンダルを引っ掛けて玄関の扉を開けると、立ち話をしている瑞と主婦の背中が目に入った。

「やだ、じゃあ料理でゲット?本命の座ゲット?」
「あいつ胃袋掴んだらイチコロでした。ばかな男ですよネー」
「瑞!!なにしてんだバカ!!」

最悪の組み合わせである。悪乗りしているらしい瑞の話を、大喜びで聴いているおばちゃんである。

「あらやだ雪也くん、ごめんね、ごめんね!おばちゃんすぐ帰るから!」
「帰んないで!!お願いだから俺の話を聴いて!!」
「いいのよお、おばちゃん応援したげるから!パパとママが帰国したら、ちゃんと加勢したげるからね!お付き合いを認めてあげてって!」
「親泣いちゃうよ!!」
「じゃあおやすみ雪也くん!仲良くね!」

にこにこと帰っていく主婦を呼び止めても無駄だった。

「もう引っ越したい・・・」
「誤解はいつか解けるサ!元気だせヨ!」
「おまえが言うな!!なんだその爽やかな笑顔!!」
「・・・ねえ二人とも何してんの」

冬の訪れを控え、静かに時が流れていく。
彼らは、こんな夜も、いつかすべて泡のように消えるのだと知っている
それでも、未来は変わると信じることで、救われたような気持ちになるのだった。







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