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覇王伝__蒼剣の舞い3

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 七星士___星の元に生まれた七人の精鋭。
 その腕は、四獣聖と互角と云われ、滅多にその姿を見せない。戦数あれど、彼らはよほどのことがなければ動かない。彼らを動かせるのはたった一人。
 それは覇王のみ。
 ___カン!
 「やるじゃん?さすが四獣聖最高位だ」
 「あいかわらず、よくしゃべる野郎だぜ」
 「鬼宿、龍珠を持っているかも知れんぞ」
 「蒼龍だからね」
 清雅の剣をふわりと交わし、星宿は飛躍した。
 ___カン!
 「口も腕も達って野郎は、嫌われるぞ」
 「生まれつきだよ!」
 側にいた拓海が、思わず呆れた。
 口も腕も達ち、二カ国から嫌われている男の云う台詞ではないと。
 更にもう一人、鬼宿の性格と似ている男がもう一人。
 「セイちゃん、その男の口ギタンギタンに裂いちゃえ」
 「焔さま…」
 「なに、タクちゃん?」
 「いえ、何でも…」
 軽い眩暈を覚えながら、拓海は二人の勝負に目を向けた。
 そしてそれは、意外な形で終わる。
 二人の間に、炎が舞い上がった。
 「いい加減にしろ、鬼宿」
 「…井宿(ちちり)?」
 「吾が名は、南方七星士第1宿、井宿。覇王にはお初にお目にかかる」
 狼靖と歳も変わらぬ男が、そういって膝をつく。
  「ちょっと井宿〜」
  「勝負は、お前の負けだ。蒼剣だったら死んでいたぞ」
  「確かに、鬼宿の負けだな」
  軫宿は、ふっと笑って戦闘態勢を解いた。
 「俺は、覇王じゃないぞ」
 「存じてます。ただ、吾の勘です。貴方は覇王になると。吾ら南方七星士は、覇王となる男をこの目で見極め、そしてその下につけるかどうか」
 「……」
 「これも吾の勘です。吾らが動くに値する方だ」
 「またそれか?」
 覇王に。この七年間、狼靖から始まった期待のされようは些か迷惑だったが、誰かがこの四国を纏めない事には清雅に安らぎは来そうもない。
 そして井宿はこの蒼国へ来たもう一つの理由を話し始めたのだった。
         ******************************
 四方二十八星、全ての名前を一気に語るのは苦労する。
 ドラゴンに七つの星があるように、それぞれ三方に七つ存在する星であり、名の下に宿とつく。星を宿すと云う意味だ。