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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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飛んで火に入る夏の虫

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 と静まり返っている教室に直樹の声が響いたが、ベル先生にガン飛ばされたので、しぶしぶ直樹は教室の外に出た。
 教室に出るとベル先生が腕組みをしながら直樹を出迎えた。
「行くわよ」
「はい?」
「ここで話すとまずいから、屋上にでも行くわよ」
「はぁ?」
「大事な話があるのよ」
 屋上で大事な話……もしや愛の告白!?
 教師と生徒の禁断の恋。めくるめく愛情と憎しみの渦に巻き込まれる直樹。愛の先に直樹が見たものとは果たしていったい!? なんてことはないか。
 状況もよくわからないまま、直樹は前を歩くベル先生の後ろをついていった。
 お尻をフリフリさせるフェロモン炸裂お色気歩きをするベル先生。直樹の目がどうしてもお尻にいってしまうのは言うまでもなく、階段を上るベル先生のミニスカから覗く美脚に心を奪われる。これこそまさに悪魔の誘惑。しかも、お色気ムンムン一二〇パーセント増量中!
 ドキドキしながら直樹が屋上に辿り着くと、直樹の身体がベル先生によって壁に叩きつけられた。
 揺れ動くたわわな胸が直樹の眼前に迫り、お色気美人の濡れた唇が悩ましい。
 直樹はとっさに思った――食われる!?
「せ、先生……いったい何を!?」
「アイちゃんの秘密バラしたら、殺すわよぉん」
「はい?」
 イマイチ状況理解に苦しむ直樹によりいっそう迫るベル先生……の胸!
 胸に顔面を押し潰されながら、ちょっといい気持ちかもとか思いながら、実は苦しくて死にそうな直樹。
「気持ちいです……じゃなくって、苦しいです……」
「アイちゃんが悪魔だってことみんなに言いふらしたら、地獄の業火でこんがり焼いてあげちゃうわよぉん」
「あ、あの、なぜにベル先生がそのことを!?」
「あたくしも悪魔なのよぉん」
 ベル先生の身体を退かし、直樹が叫ぶ。
「えぇーっ!?」
「あらん、気づかなかった?」
 愛の告白よりも衝撃的告白。悪魔って以外に社会に溶け込んでるんだなぁ、あはは。
 二人しかいないと思われていたこの場に第三者の声が響き渡った。
「やはり貴様も悪魔だったか……私は悪魔を許さない」
 静かな中に燃え上がる憎しみを込めた女性の声。
 逆光を浴びる少女が長い髪を風に靡かせながら、気高くそこに佇んでいた。

 太陽を背に浴びる黒髪の美しい女性。直樹と同じクラスの美人生徒会長&大財閥の令嬢である鳴海愛だった。ちなみに直樹は副会長で愛とは結構仲良しだったりする。
 愛の手には長く鋭い刃物――日本刀が握られていた。なぜに!?
「私は悪魔を許さない。友人の宙を魔術オタクにして、今度は直樹まで誘惑するつもりか!」
 そんなことじゃなくって、なんで中学生が日本刀なんて持ってるの?
 模造品だよね?
 本物じゃないよね?
 ベル先生が直樹の腕を掴み宣戦布告。
「正体がバレてしまっては愛ちゃんも殺さなきゃいけないわね。動いちゃだめよぉん、直樹の首が飛ぶわよぉん」
「飛ぶ!? 飛ぶって俺の首が?」
 冷や汗が滝のように流れる直樹。ベル先生の目はマジだ。愛が動いたら死ぬ。
 刀を構える愛の眼光が鋭く輝く。
「すまぬ直樹、人類のために犠牲になれ!」
 疾風のごとく駆ける愛の一刀が煌きを放ち、直樹ごとベル先生を斬ろうとした。
 静かに舌打ちをしたベル先生によって持ち上げられた。
「人間爆弾発射よぉん!」
 豪快に投げられた直樹は直球勝負で愛に激突。二人はすってんころりん豪快にコケた。
 地面に倒れた愛の上に覆いかぶさる直樹。手に伝わるやわらかい感触に思わずモミモミしてしまった直樹。そして、状況把握で凍りつく直樹。
「うわぁあーっごめん!」
「……いいから早く退け」
 直樹の手はお約束的に愛の胸を鷲掴みにしていた。しかも、モミモミしちゃったし。手に残る感触を一生忘れないと、密に誓う直樹であった。
 直樹を押し退けて強引に立ち上がった愛は素早く刀を構える。ベル先生の姿はどこに!?
「後ろよぉん!
「何っ!?」
 振り向きざまに愛の眉間に銃口が突きつけられる。ファンキーなデザインその銃は子供のオモチャにしか見えないが、侮るなかれ。ベル先生はその奇抜さから世間一般に認めてもらえない天才奇才なのだ。いわゆるマッドサイエンティスト。
 銃口を愛の眉間に突きつけながらベル先生の早口解説がはじまる。
「この銃は物体を一瞬にして元素レベルに還元してしまうというミラクルな銃――その名も『蛙が還る(試作品)』よぉん!」
 ネーミングセンスはイマイチだが、ベル先生の説明から察するにきっとすんげえことが起こるに違いない。
 引き金にかけた指が微かに動いた瞬間、そのスピードよりも早く愛の一刀が煌く。
 銃がクルクル回転しながら放物線を描く。
「きゃあぁぁぁっ! 腕が……あるわね」
 斬られたと思われたベル先生の手首は白衣の袖に引っ込んでいた。
 銃が地面に落ちた衝撃で誤作動を起こす。そして発射!
「うぎゃぁぁぁっ!」
 得たいの知れない生物が車にひかれたような叫び声。愛とベル先生は戦いを一時中断して、その声がした方向を振り向く。ヤバイ、死んだかも?
 そこには地面に蛙みたいに倒れた直樹の姿が!?
 慌てた愛は直樹に駆け寄る。
「大丈夫か直樹!?」
 続いて平然とした顔をしたベル先生が一言。
「失敗ね」
 ベル先生の理論では直樹の身体は元素レベルまでバラバラにされて、跡形もなくなるはずだったのだ。
 身動き一つしない直樹。やっぱ逝きましたか?
 地面に膝を付き、歯を食いしばる愛。
「くっ、すまない直樹、私のせいで……」
「まあ殺人なんて大したことじゃないわよぉん」
「もとはと言えば貴様が!」
 立ち上がろうとした愛の手を何者かが掴んだ。
「直樹!? 生きていたのか?」
 驚く愛の目の前で直樹がゆっくりと身体を起こす。
「はははは……あ〜ははははっ!」
 高らかに笑い立ち上がった直樹は掴んでいる腕を引っ張り、愛の身体を自分の胸に抱き寄せた。
「美しいぞ愛」
「何を申すか、頭でも打ったのか!?」
「いや、?わたし?は本気だよ、愛ちゃん」
 美しい女顔の本領発揮。悩ましい瞳で見つめられた愛は普段の彼女からは想像できないほどに焦りを覚えて、生唾をゴクンと飲んだ。
 この状況を平然とした態度で見守るベル先生はメモを取りはじめた。
「なるほど、実験は失敗したけど思わぬ効果が出たようねぇん。あの銃には人の人格を変える力があったのねぇん。となると名前改め『蛙が変える(試作品)』ねぇん!」
 当初の用途とは変わってしまったが、ベル先生が大発明をしてしまったことには変わりない。やっぱりマッドサイエンティスト。
 本能的に危機感を感じた愛は直樹の身体を突き飛ばそうとした……のだが、直樹の胸を押した感触が妙にやわらかい。思わず愛はモミモミしてしまった。ま、まさか!?
 顔を赤らめて吐息を漏らす直樹。
「あぁん、そんなに激しくしないで……」
 凍りつく愛は顔を沸騰させながら、ものすごい勢いで前を向きながら逆走した。
「な、直樹……おまえ……やっぱり女だったのか!?」
 この発言にベル先生も驚きの声を漏らす。
「そ、そうだったの。そうじゃないかと思ってたのよぉん。そんな女顔の男がこの世にいるわけないものねぇん」