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ヤマト航海日誌

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ヨイショやボーボやシジンなんかはそう思う。特に〈ミハルネズミ〉なんて、ノロイが死んだら仲間を裏切る必要もなくなるんだからいいじゃないか。オレはそこまで島ネズミの内政に関わりたくねえよ、と……けれどもしかし、〈イセリナ〉に殺されかかってしまったガンバがそれですっかり頭に血が昇ってしまい、ガクシャから「まだ他にもいるかも」とか、イカサマから「あっしらに反抗したやつみんな怪しい」なんて言われたらどうなるか……〈ノロイトウ・ネズミ・ギャクサツ〉。やっぱり決してうまいと言える味の酒ではあるまいな。

まあ、人間の戦争では、そういうことが必ず起こるもんである。事は程度の問題で、カクテルも丁寧に作って初めて大人の酒となるわけだが、さてジンとラムを半々、グレナデン・シロップとレモン汁をひとさじずつ加えてシェイク――このお酒をなんと呼ぶかご存知ですか。これも相当〈混ぜるな危険〉という感じだが、おれがこさえることになるのは果たしていつのことになるやら……何しろまた、しばらくお休みいただくつもりでいるんでね。


(付記:これを書いた後である本に『冒険者たち』は1972年の出版と書いてあるのを見たが、おかしいな。ずいぶん前に読んだものには戦前の作と書いてあった気がしたのだが、おれの勘違いかしらん)



作品名:ヤマト航海日誌 作家名:島田信之