ヤマト航海日誌
2019.12.20 京アニ事件のファイアスターター
さてとずいぶん久しぶりだが、火の用心が大切な季節になりましたね。天皇についてアレコレとヤバイことをどんなに書いても炎上しないこのブログだが、この四ヶ月半に何人がこれを読んだんでしょう。八月に八千ちょっとだった総アクセス回数がこの年末に一万何百だからちょうど二千か。全部読んだのはその半分として一千か。
以前から読んでいたのが五百人に新しく読んだ者が五百人。計千人が読んでコピペしたもんとみていいだろう。君は君だけと思ってんのか。ならそう思ってりゃいいだろう。夏からずっと更新していなかったのにアクセスが二千。三年前までロクに読まれていなかったのを思えばずいぶんな違いだが、この四ヶ月、なんでなんでこの日誌がこのサイトの〈今週〉で2位をキープしてたんだろう。
しかもずっと、〈今日の人気作〉の方では6位にも入らないのに! 君ら、毎日見ながら思ってたろう。『なぜだあっ!』って。『なぜだ! 七日連続で7位以下になるようしてやったのにどうして〈今週〉で2位なんだよ! このサイトのシステムどうかしてんじゃないのか? 「マイノリティ・リポート」って映画のなんとかシステムのように重大な欠陥がどこかにあるに違いない!』
と。そう思っていたんじゃないの。けれどもしかし、これはなんにもおかしくなくて、〈平均の法則〉ってのが働いてたんだよ。このサイトでおれのこの日誌だけが、毎日毎日安定して十数人に読まれていた。他のものは日によってアクセス数がマチマチだから、一日だけ上位になっても平均ではダメだったんだ。でもって1位のやつだけが、おれをトップにだけはさすまいとして君らがカラ開けするもんだからグーンと上のところにいた。
というわけなのさ。わかるだろ。しかしそんなことをしても、結局のところジワジワとこの日誌を読む人間を増やすのさ。一日五人十人とね。『このサイトのトップから島田を消しさえしたならば』という君らの考えは、ただそれだけの結果しか生んでいなかった。だからこの四ヶ月で、千人がこれを読んだ。
というわけなのさ。わかるだろう。と言ってもわかんないだろうが。君らは美人受付嬢の帰り路をつけるストーカーのようなものであり、千人がおれをつけている。つける以外のことができない。いつか彼女が自分を振り向き、「ワタシはアナタのものよ」と言ってくれるときがくる。そう信じてつけ続ける。
それ以外のことができない。そうして気づけば自分と同じ尾行者が千人にもなっていて、増えていくのを止めようがなく、それでもこの千人の中で彼女が選ぶのは自分だと信じる。彼女の方では君なんか顔も名前も知らないしどこの誰ともわからないし、振り向いて見てみてもパッと物陰に隠れてしまうためにアクトの現場を押さえてキャッチできない相手なのに。
君の方ではそんなことがわかっていない。アニメの見過ぎで物事が必ず都合のいいように運ぶと信じているがゆえに、
「いやいや、ボクは、彼女に念を送ってるんだ。ボクのメアド〈bokuno@meado.net〉に《すべてをアナタにあげるワ》と書いて送ってくれと、そう念じてるんだ。それできっと笹本祐一『妖精作戦PART II ハレーション・ゴースト』のような奇跡が起きて彼女はボクだけのもの……」
なんてことを考えるストーカーと君は同じ。なるほど、君のメアドねえ。千人の頭が放つメールアドレスのうちのひとつがおれの脳に届いておれが「ハッ、『敵中』を書き上げてこのアドレスに送らなければ! そのうえですべてを消して自殺せねば!」と考え、そのメアドの主が君であるならばすべてがメデタシメデタシなのか。しかし、よくまあそんなこと、本気で期待できるもんだな。
「いーや、いやいや! 有川浩の小説ではこういう奇跡が起きてくれる! あの作家は女なのにこういう話を書いている! 電車男の夢が叶ってどんなに都合のいいことでもうまくいってしまう話だ! 彼女の本はリアルだから売れるし映画化されるんだ! だからこれも実現する!」
いーや、いやいや、有川浩の本なんか、君みたいなバカが買うから売れるし映画化されるだけだよ。とにかく君らがそういうやつであることはおれはよくわかってるので言うだけ無駄なことは言わない。〈ハーメルン〉に出した『敵中』の航海編に『○○○の憂鬱』って話を入れたがおれは『ハルヒ』というやつも小説本で読んでいないしアニメでも見ていない。
見なくてもバカが見るもんとわかるからだ。そして見なくてもわかるからだ。『ハレーション・ゴースト』の劣化コピーだろ、と。男は主人公ひとりだけで他は萌え萌え美少女なんだろ。
それを劣化コピーと言うんだ。見なくてもわかるじゃないか。〈京都アニメーション〉て会社がこの夏に放火にあった事件をニュースで見ても『なるほど』と思った。わかるよ。それは『ハレーション・ゴースト』のラストだよ。あのファイアストームだよ。犯人のなんとかいうのはだから笹本祐一のドッペルゲンガーに違いない。『ハレーション・ゴースト』をパクった『ハルヒ』なんていう高尾山をアニメ化しといてジャヤの自分を〈過去の人間〉扱いにする。オレはまだまだ現役なのに! というのでラノベの神様、〈スタンレーの魔人〉の怒りが落ちてしまったんだ。笹本の生霊が、そのなんとかを操ったんだ。
と。おれは思った。そうだ。〈夢の逆襲〉だ。笹本の『妖精作戦』そのものが、S・キングの『ファイアスターター』のパクリみたいなもんのくせに。《某年某月、謎の敵巨大組織を“悪”でない組織にしようと思いつく》って、『炎の少女チャーリー』を見て思いついたんじゃねえのか、あれは。おれは『ハルヒ』を読む気ないけど、たぶん『ハレーション・ゴースト』も、読んでなんかいないかもだよ。いや、もちろん出てすぐに買って読んではいるんだけど、パート1がとにかくひどいシロモンだったろ。だから続編が出るのを知っても『えーっ、あれの?』とまず思った。
どこで思ったかと言えば、高校の図書室だ。朝日新聞が置いてあって、朝日ソノラマの広告が載ってた。『妖精作戦PART II ハレーション・ゴースト、本日発売!』。で、その横に平野俊弘の画があった。
昔の挿絵を知ってるやつならわかるだろう。沖田玲郎と霧野深雪が校舎から落ちるところを氷島陽子の霊が救ける。あの場面に挿されたあの画が、新聞の発売広告に使われてたんだ。
あれ見て『ふうん』と思わなければ、書店に行って手に取ることもなかったかもだよ、おれの場合。図書室にある新聞を手に取り広げてみる自体がたぶんそのとき一度きりだし、朝日ソノラマの広告が朝日新聞に載ってるなんていうこともそこで初めて知ったんだからちょっとした奇跡かもしれない。そんな話が信じられるか、作ってるだろ、と思うかもしれないが、でも本当のことなんだよ。
嘘と思うなら思えばいいけど。そこへ行くと今の創元文庫版、ひどいね。〈楽天コボ〉で試し読みすりゃカバー画が手に入るから、おれのPCに今あるけど、これを手に取りレジに持ってくやつの気が知れないね。