ヤマト航海日誌
しかしたまたまあの後で知ったところだとそうらしい。松本零士も『わが青春のマリアンヌ』をNHKが放映したのをビデオに録ってDVDが出るまでの間繰り返して見ていたらしい。おれは中学の頃と言えば、『ルパン三世』や『秘密のデカちゃん』の再放送ばかり見ていてNHKにはただの一度もチャンネルを自分で合わせはしませんでした。時代劇は『暴れん坊将軍』よりも『江戸を斬る』が好きでした。
あとそれから、なんと言っても『お笑いマンガ道場』ですね。その頃から女子中高生なんかより峰不二子とか大場久美子や松坂慶子、川島なお美が好きであったわけですよ。
だからおれは君らのような美少女萌えの変態とは違うんだ。他人の文をコピペして自分が書いたことにしようなんて了見も持ってない。おれがどうしてこの二ヶ月、この日誌を更新せずにゆっくりゆっくり小説を出していたかわかってないだろ。12日で書けるものをノンビリ60日かけて、しかも話はぜんぜん進んでないという。
君らはイライラしていたかもしれないが、おれの方はまったく平気だ。いっそ倍の120日かけてやってもいいくらいだ。けれどもどうしてこんなことをやったのか。
理由は簡単、アクセス状況を見るためだよ。日々、少しずつ、少しずつ、この日誌を読む人間が増えていくかなと思っていると一日の閲覧者数が十人を超えたところで翌日にゼロ。また少しずつ増えていき、十を超えると翌日にゼロ。
そのパターンを繰り返すので、これは君らが君を舎弟と思っている人からこの日誌を教わって、君が君の舎弟にだけ次に教えて舎弟が孫舎弟に教え、
「いいか、誰にも話すんじゃないぞ。こいつはオレが書いたものということにすると決めたんだから。これがオレが書いたものとなったらお前はうれしいだろう。そのときのためにいま教えておくんだからな。いいな。他の誰にも言うなよ。一日に読む人間が増えさえしなきゃ広まることはないんだから……」
とどいつもこいつもがやって、孫舎弟が曾孫舎弟に同じことを言うかもしれぬとは全然考えてないのだな、とおれは分析していたわけだ。
この60日間で、とてもとてもそれがよくわかりました。君自身が君を勝手に舎弟扱いする男を裏切っているわけだから、君が勝手に舎弟とみなしている者だってそうするに決まってるだろう。君が君の舎弟だと思っている相手は君の舎弟じゃない。天は人の下に舎弟を作らず。人の上に兄貴を作らず。人は誰もが自分を勝手に舎弟として扱う相手をウザいと感じていつか隙を見て足をすくってやろうと思う生き物なのだ。
自分の舎弟になるかどうかで人を選ぶ出渕裕はだから最低の人間である。あんな人間に倣(なら)ってはいけない。
「オレには舎弟が○人いる」などという自慢をする者に憧れ、『オレもいつかは』と考えるのは、君が心卑しい証拠だ。精神が腐っているし脳は虫に食われている。おまけに君が結婚しても、心の不浄が子に受け継がれ、顔に出ちゃって、「かわいそうなのはこの子でござ〜い」ということになってしまうのだ。
ああ気の毒に。君という因果な親を持ったばかりになぜ罪のない子供がむごい運命を背負わなけらばならないのだろう。君だぞ。君が悪いんだぞ。他人のものをコピペして、自分が書いたものと偽りウェブに投稿した男がいたんですよ〜。なァ〜にィ〜、やっちまったなあ! そいつは誰だ! 突き止めろ! どうせ舎弟がいるんだろう。みんなそいつを裏切って、名をさらすに違いないぞ。同罪にはなりたくないもの。
「ハイ、〈彼〉を知ってます。その本名は古代守。住所は神奈川県三浦市1の2の3……。ボクのことを舎弟扱いしていましたが、もちろんボクは彼のことを兄貴分と考えたことはありません。バカだバカだと思っていたけど、まさかほんとにコピペなんかやるとはねえ」
だから必ずこうなるともう何度も言ってるだろう。盗作は絶対に成功しないの。『どうせ島田はアマチュアで、「敵中」は著作権侵害作であるのだから盗んだところで法律上の罪になることはないだろう、このブログがサイトのトップページまで行かない限り望みはある』と君が思うのも無理ないけれど、それは君が本当は何も考えてないからであって、悪魔の誘いに負けた者は必ずさらし首になります。
また、ひょっとしてやるバカがほんとに出るかもしれないけれど、それは君が『コイツはオレの舎弟だから絶対にオレを裏切るはずがない』と考えていた者のひとりかもしれない。そいつの名と住所がさらされ、初めて君は自分の愚かさに気づくことになるわけね。
君のせいで君の子供も学校でヤーイヤーイといじめられる。お前の親はコピペなんかやったんだってなあ? コピペによって眠っていた小説を書く才能に目覚め、バカスカビビュンと次から次に本を出して翻訳もされ、全世界で一億部も売れるだなんて夢を本気で見てたんだって? すげえ! 出渕裕の方が、まだそれよりマシかもしんねえ!
そうなることがわかっていないわけでもなかろう。な。本当にあきらめろよ。盗作がしてはならない行為であるのに、おれがプロかアマチュアかは関係ない。著作権の法律もまた関係ない。〈悪いこと〉というよりも〈恥ずべきこと〉であるからだ。
だからやれば罰を受けるというよりも、バカにされるということに気づかなけりゃおかしいだろう。頼むからいいかげんに同じことを言わせんでくれ――と、どれだけ言っても無駄であるのもおれにはよくわかっているので、また当分お休みいただくことにします。また一年てところかねえ。君がすぐにもおれが小説を書き上げて死んでくれると考えるのをやめさせるには他に方法がないだろうからな。
今回はそれをお知らせしたかっただけです。では、永のお別れを。