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父と娘、時々息子

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 勢いをつけるのもお酒で少しばかり口と心をほぐそうと注がれた日本酒と電気ブランのコンビが悪かった。
 急性なんとやらで病院送りになり、その付き添いを店の責任者ってことで息子のKさんに・・・という事件があった。
 勿論あれ以来、お酒は飲んではいるが日本酒と電気ブランは危険ということで、酒好きの私でもさすがにこのコンビネーションは辞めた。
 そんなことができるのもそのオーナー家族だったからは多分にある。
 父も私のことで悩むときはママによく相談していたようだ。
 ママから遠巻きに色んな話しを聞かされて、うちの父がそんなこと勘ぐっていたのか!!!と驚いたことが何度もあった。
 父も私も相談する窓口も共通だったようだ。
 そんなこんなしながら、お互い悩みを打ち明ける相手をそれとなく見つけ、代弁してくれる人も間に入れつつ、日常を平穏に過ごすという根本は親子間で受け継がれているようである。
 忘れてはいけないのが、父の音楽人生の半分以上気付けば何かしら一緒になり、最後の最後まで付き合いのあった人が二人いる。
 二人とも声楽家で、歌唱指導の先生というのも共通している。
 その内、女性の声楽家の先生(仮に先生とする)は我が家にというか私に、初歩的なピアノを教える為アルバイトをしていたこともあり、年に2〜3度家族で外食する際真っ先にお誘いする人である。
 まぁ、先生も落ち着かない方で、父も大概せっかちだが先生はさらに上を行くせっかちで、食べに行った先の店員によく苦笑いされる。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.