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父と娘、時々息子

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 週に二度、父は体力維持のためにゴルフに自らの運転で通っていた。
 とても分かりやすいというか、父はどこか子供っぽいところがちょこちょこあって、ゴルフでライバル視している友人達より成績良く上がれると声が弾み上機嫌で帰ってくるが、その反対だと玄関の扉の開け方がもうすでに意気消沈している。
 他人にはわからないが、こういう毎日のちょっとした音で敏感に聞き取れてしまうのが家族のなせる技だ。
 その感覚一つで家族の機嫌を伺い、悪かったらなるべくあたりさわりなく、限りなく普通でいてやんわり無視することがベストである。
 変に突っ込むと痛い目を見るのは決まって聞いた本人だ。
 もちろんそういう形が崩されることもある。
 父の気まぐれで掴まってしまうことも多々あるということである。
 そういうときは弟はうまく逃げる。
 壁はいつも私・・・。
 あまりにしつこいと私は面と向かって、私に当たらず飲みにでも出ていけば、どこかのママさんか女の子が聞いてくれるからと追い出しにかかる。
 女性がよくそういう夜のお店に父親が行くのは嫌だ、とか彼氏が行くのは嫌だ、なんて人がいるが、私はそれが全く分からない。
 怪しい店、そっちの店だったり、一般社会から外れた店とかなら話しは別だが、女性と話したりカラオケしたりお酒飲んでアフター行こうが、知ったこっちゃない。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.