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父と娘、時々息子

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 それがましてや、亡くなってすぐご遺体をお焼きしてしまったら、もっといたかったという後悔が私の場合強くなる気がした。
 それに五体満足、綺麗なままの姿だったらそのまま連れ帰って偲びたく思う。
 世の中、綺麗な姿のまま亡くなることはきっと普通であると思うと同時に奇跡的なことだとも思う。
 事故や、病気で元気なころの姿のままとはいかない場合もある。
 まれにあまりに酷く対面できず、棺を蓋されたまま送り出すこともあるだろう。
 そうでない限りは、やはり綺麗なままの姿なら連れ帰って、お焼きするまでの間一緒にいたいと思うことは異常であろうか。
 それでも、私はそうしたかった。
 ただそれだけの我儘だとも思ってくれたのか、父はそれだけは渋々承諾してくれた。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.