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父と娘、時々息子

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「こうして先生のフォローの仕方は受け継がれるんやねぇ。」
 昔の父と母の姿はこうやって確定されていくのだ。
 Dのママが生き証人。父と母が夫婦になるまでを人となり見てきている人であるから、良いことも悪いことも母の姿をドン何だったか教えてくれる。
 そのおかげで、母もその場にいて色々昔話を聞かされている感覚になるから、母と娘の会話のようなものが疑似体験できて、ちょっと嬉しく感じた。
 母とは一生そんな話をせずに、大人になっていくことが必然的だったので自分の中で諦めがついていたし、望みすらしなかった。
 それが、私の当たり前だからだ。
 だけど、Dの昔からのお客さんやママ、オーナー達が色々覚えていてくれて、あなたのお母さんはああだったとかこうだったとか端々に教えてくれた。
 その姿を思い描くと、まさに私がその時に当たっている壁と同じで会話ができなくても、こうして母とつながって解決することもあるのかと発見も多い。
 最たるものは私が父に対してそれだけはどうにかならんか!と思っていることがある。
 それは、凄く頑固で自分がこれ!と信じたものにまっしぐらで、間違えていたとしても自分の中では正当だと確信があると、いっこうに意見を変えない人であった。
 だが、他人から見れば物腰は柔らかいし、理解力もあって、いけないことはちゃんといけないといえる人で頼りがいのある父または夫と見られている。
 よくご近所の人と話をしていると、父を褒めてくれるのはありがたいのだが、とても複雑な気持ちになる。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.