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父と娘、時々息子

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 父と母がどうやって知り合って、結婚したのか。先々どうするのか、父が亡くなった後のことを父はどうしてほしくて、どう動いているのか、そして何より私が何を考え何を想い、どうしたいのか。
 ロマンチック街道を旅行していたころから心配事として父の頭と心を縛っていたのは、父自身のもしものことだったように思う。
 この頃にはもうすでに「俺がもしもとなったときは…」としきりに口から出ていた。
 今までの入院歴と事故の数々で、ビビりだった父はさらにビビりが悪化していたし、私からの明確な答えが出てくれば少し安心もさせられただろう。
 だが、私は父の子。隠せば隠す程ボロが出る。
 そうなればまた隠さなくてもいいことまで隠す羽目になり、わけがわからなくなる。
 そうなるよりも、本当のことを私が置かれている現状と、私の年代が置かれている現状も含め知っておいてもらう方が、本当の解決につながると考え、包み隠さず父にぶつけた。
 私は生活のために働くことは絶対にしたくなくて、興味があり、学べるか、私がずっと同じことの繰り返しでも喜怒哀楽、苦労、辛酸を舐めさせられることも全部ひっくるめて楽しいと思える場所でなければ働けないということ。
 これは誰がなんて言おうとも譲れないところで、どうしても生活のために働かなければならない職種なら、一切人と関わらない仕事を選ぶ。
 それは私が主としたい職種が人そのものであり、人と関わりたい仕事であるためだ。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.