父と娘、時々息子
ママのおかげで鼻っ柱をポキッと折られてしまった父は、何を言っても説得力に欠けてしまい、私の猛攻に反論すらできなくなった。
お店からの帰り道、ずっと同じ話をされたのは言うまでもない・・・。
晴れて、私は入店することに決まり、初出勤の日ドキドキしながら一人での初北新地。
メイクもちゃんとしたことがなく、服装もどんなものが良いのかわからず、とにかくすべてが見様見真似。
当時の私は本当に年齢に似つかわしくない服装、メイクだった。
色が黒しかなく、メイクもなんちゃってで、下地って何ですか?くらいの勢いで。
そんな私を根気強く皆で改造してくれた。
色が足され、性格も人と関わることが多くなったことによって、外へ出るようになり、何より音楽がやっぱり好きで、色んな歌詞で感動した。
そのお店勤めが始まってから、平行するように活動をすることになった。
お店とも学校とも別でつるんでいた友達が、バンド活動をすることになった。
そこにコーラスとして参加しないか、と誘われたのだ。
始めはコピーバンドから始まって、オリジナルを書くようになった頃、詞を書けるものがいないことに頭を悩ませていた友人にとりあえず、書かせてくれないかと言ってみる。
物は試しと、私はそのオリジナル曲の詞を任されることになる。
ストックは毎日一枚のおかげでたくさんあって、どのメモを軸に作っていくか悩みに悩んだ。
基本はロックだが、最初に任された曲調がバラードで難しかったのを覚えている。
不浄な摂理を軸に書くか、それともありきたりな失恋か・・・。
なんにせよ、どこにでも埋もれているような詞にしかならなかったが、その父に隠れての活動が面白かった。