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父と娘、時々息子

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 そんな様子を目の当たりにすると、こちらが気恥ずかしいやら、聞くことそのものを間違えたなと思うこともあったが、今は聞いておいてよかったと感じる。
 だからこそなのかもしれない。
 私が気が付くところは子供が気付かない、または気づいてはならないところばかりで、よく心無い大人に「生意気」だとか「子供がでしゃばる場所じゃない」と邪険にされたことがほとんどなのだ。
 帰阪してからというもの、何かしらの開眼があって摺り寄せは強まった。
 もともと面倒見は良いほうだと自分でも思う。だが、お節介までいくぐらい人のことが好きで、自分の力ではどうしようもないと目にも明らかな場合、手を出さずにはいられない性分である。
 その性分がいけなかったのか、小学生の頃は大人の手が足りないときに限り、弟と下の従妹達の面倒を見ておけばよかった。それも大人の女性がいたからできたことであった。
 帰阪すると家の中で一番年齢を重ねている女性が私で、予想以上に何もできない弟に、危機めいたものを感じ、父の気づいていないところでいけないことをしていたら注意して回ったのだ。
 それがいつの間にか癖づいてしまい、中学に入る頃には父が弟を持て余し始め、私に相談してくるようになる。
 この弟が本当に曲者で、人にかまってほしくない、常識に疎い、ゲーム中に邪魔するな、家の中に他人に入ってほしくない、基本個人行動が好きで、旅行に行く意味が分からない、なんでも頭からNOをつきつけるといった難解な人間なのだ。
 補足すれば、小学生の弟はこれらを持った悪化させた感じ。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.