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父と娘、時々息子

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 紹介の仕方もどうかと思うが、言い方も如何なものか。
 私より上に兄がいることは知っていた。だが、交流のあった一番上の兄と姉、すぐ下に私が来て、弟だと思っていたが、全く知らない人を私の兄だと紹介されても、あぁそうですかとなるのは困難である。
「お前が小さいときにあったことあんねん。」
「大っきなったなぁ、覚えてないよなぁ。でも、抱っこしてたこともあってね。」
と、父と二人で言われても、私の中の家族相関図は見事粉々に砕かれてしまい、私の兄弟は一体何名いるのかすら見失ってしまう。
 父の晩酌時間、この頃はテレビゲームの麻雀にどっぷりハマっていた時期で、ゲームをしつつお酒を飲むのが父にとっての一日の締めくくりのような役割を果たしていた。
 話しが重くなることが嫌だったため、その時間まで待ってそれとなく引き出そうとした。
 それが私自身にとっては悪かった。
 父の集中がテレビの中へ移ったのを見て、世間話をするように、でも聞きたいことははっきりと・・・。

「異母兄弟がおるんは分かったけど、私を含めて全部で何人いてんのん?私の兄弟って・・・。」
「ん?本来7人。うち1人事故で亡くなってるから6人。」
「・・・。いや、パパの兄弟やのうて・・・。」
「せや。お前の兄弟やろ?お前の上5人。」

 即答であった。
 しかも私が思っていたよりも軽く言い放ち、麻雀を打ち続けていた。
 私の中はまた一気に回り始めた。
 始め、異母兄弟とはいえ、兄は兄としていた存在を独り認識していたのが、あれよあれよと増えてゆき、私の上に5人もいたとは・・・。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.