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父と娘、時々息子

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 なんか、途中から悪口のようになってしまったが、とにもかくにも、一般社会の常識をとりあえず重いからと、バカ正直に宣言して隣に置いてしまう、困った気遣いの使い方も間違っているような大人に育ってしまった。
 そのことについて、彼が成人してからも父はよく頭を抱え、娘にもかかわらず、父に対しての妻変わりをしていた私は、その父の苦悩を逐一聞いて、一緒にぼやき、一緒に諭した。が、効果は現れてはない。
 気遣いもそうだけど、配慮とか、人の身になって考えるということに欠けるのだな、彼は。
 私が作った夕飯が口に合わないと、無言のまま手を付けず、冷蔵庫を漁り始め、自分の好きな物をこしらえ始め、後片付けすらせず、それを美味しい美味しい言って食べてしまう。
 もしも私が母親や嫁だったら、無言で壁に向かって皿を投げつけてストレスを人に向けるわけにいかんので物で発散させているに違いない。
 ぐっと堪え乍ら、生活したら体調が悪くなる。
 ま、言っても私は姉である。
 弟は弟で私は私。
 恥ずかしい思いをするのは私でも父でもない。
 好き勝手してきた弟の全責任であるからして、知らんと放置にしたのは私が小学6年の時。
 父は、弟が成人になってもそれをぼやいていたため、私ははっきりと「とうの昔に諦めた」と告げると、何か言いたげにしていたが、結局何も言わずテレビの野球中継に目をやった。
 おそらく、「たった二人しかおらん姉弟が、寂しいこと言うなよぅ」とでも言いたかったのだろうが、私は夕飯を目の前にしてスナック菓子のほうがうまいと言って食べたあの日から、奴の夕飯を作らないことを決めたのだ。
 悪いが、それは今現在でも続いている。
 弟が何が悪いかに対しての理解をほぼしていない。
 何度説明しても、「もうそんなんしてないし。」というが、その前の謝罪もなけりゃ、食後のスナック菓子は何なのだ?!と言いたい。
 基本、変わっていないのだ。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.