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父と娘、時々息子

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 春から秋にかけては月に二回、父は自家用車を走らせてやって来た。
 冬場だけは、積雪での運転が怖いからと特急で徐行徐行の運転でやってきては、また徐行徐行で帰って行った。
 交通費もバカにならなかっただろうが、それでも気になるから必ず様子を見に来てくれた。
 行きは会いたさ先行の移動だから、疲れているのも感じることはなかったらしい。
 ただ、帰りが本人には辛かったという。
 小さい私が小学校2年くらいまで、よく抱きついてきて泣かれ、「大阪帰がんやったら、学校行きたくない!」とごねたり散々だったようだ。
 それが、帰阪中の車内で思い出されてきて、涙腺がついつい緩んでしまっていた。
 それを払拭するようにしていたら、自然と速度が出ていて、覆面パトカーに捕まり、点数と罰金を払ったかしれないと話しをしていたことがあった。
 その違反も2年に一度はそうやって違反切符を切られていたらしい。
 父もやはり父なので、子供に泣きつかれては弱いのね。

作品名:父と娘、時々息子 作家名:SAYA.