鉄の馬で日本を駆けろ!
七月二八日 イーハトーヴを越えて
朝から日本三景の一つ、松島を見る。
松島や ああ松島や 松島や
と言いながら松島の浮き島を観賞する。ホテルで泊まったので体力はほぼ全回復、ついでに洗濯も出来てリスタートには好条件だ。
道中は無理をせず国道を中心とした進路で北に、高速道路は極力避ける方向で進路をとった。僕たちは宮城県を越えて岩手県に到達。まずは平泉の史跡、中尊寺に立ち寄る。
中尊寺といえば奥州藤原氏の拠点の一つ、兄頼朝に追われた弟義経が立ち寄った寺。山門の門番が弁慶だったり、それから400余念後ここに立ち寄った江戸の俳人松尾芭蕉がここに立ち、残した句
夏草や 兵どもが 夢のあと
の碑文がある。12世紀末と17世紀の日本の歴史の交差点だ。そして20世紀の終わりに僕がここへ来た。
それから僕たちは石巻へ向かい、宮沢賢治記念館にも立ち寄った。ここも行きたかったところの一つだ。
宮沢賢治は自分が影響を受けた作家の一人。ご存知、僕のペンネームである「ihatov」は彼の造語である。
ihatovとは賢治の説明ではイーハトーヴはここ岩手を表したもので彼が親しんだエスペラント風に名付けたものだ。
理想郷(イーハトーヴ)というのはそれぞれの人の心の中にそれぞれあると思っている。それはどこにあるかわからない。近くだったり、遠くだったり、さらには一生見つからないかもしれない。だから人はイーハトーヴを求めて旅をするんじゃないかなと思う。僕の旅はまだ始まったばかり、果たしてイーハトーヴは見つかるのだろうか?
それからさらに北上し、盛岡市に到達。岩手といえばわんこそば。ここで腹一杯ソバ食べて高速道路に上がり、最初のSAでビバーク。
ここで電話で函館行きのフェリーの問い合わせをする。午後零時青森発のフェリーの予約が取れた。明日はいよいよ北海道に上陸する予定だ!
* * *
本日到達した都道府県。
岩手
(16/47)
作品名:鉄の馬で日本を駆けろ! 作家名:八馬八朔