鉄の馬で日本を駆けろ!
八月十二日 九州上陸
早めの野営だったので、まだ夜も明ける前に目が覚める。空はまだ暗いけど、起きてしまったのでとりあえず先に進もう。
国道9号線を西へ、島根県の最西端、益田市を越えて山口県へ。ちなみに益田市というのは前の年(平成7年)の初旬に、普通免許取得のため合宿という名の震災からの疎開をしていたところだ。なのでこの辺は仮免許で走り回っていたところだ。懐かしいので教習所に寄ってみたけど、まだ早朝だったので門は閉まったままだ。気を取り直して先へ進もう。
同じく9号線を中心に山口県の西端、そしてその先にあるのは九州、福岡県だ。
山口県といえば、北海道へ向かう途中の旅路で共に走ってくれた師である藤井さんが住んでいるところだ。住所は聞いているので寄ってみようと思ったのだが、北海道で別れてから一週間ほど。予定ではまだ北海道を走り回っている頃だ。それに、報告するのは日本を一周してからと決めていたので、ここは先に進もう。
昼前には下関西到着、本州縦断ゴールです。青森から一週間、途中寄り道したけどとにかく到達。いやあ、長かった。本州最後の記念に下関の火の山公園にバイクを走らせ、山上から関門橋を拝む。あの橋の向こうは九州だ。といっても橋で行かずにトンネルなんだけど※
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下関名産、フグの口の形をしたトンネルくぐって九州上陸。そのまま3号線をゆっくりと西へ走り福岡市に到着。今日は体力かいふくに残りの一日を充てるべく、博多の案内所でビジネスホテルを斡旋してもらう。早速ホテルでチェックイン、荷物を下ろして軽くなった相棒は元気そうだ。夕方まで市内を軽くなった単車でうろつき、夜は福岡随一の繁華街、天神に行って屋台のラーメンを食べに行くことにした。
昼間はビジネス街なのが夕方から屋台が増えて、町は賑やかになる。ちょっと並んでそうなところの屋台に並び、ラーメンを注文。博多のラーメンといえばとんこつスープに細麺。きっちり替え玉もして腹はじゅうぶん満たされる。屋台のラーメン屋は通常お冷やを出さないそうで、気の大きくなった僕は財布と相談して一本のビールを頼む。長旅で疲れている体に酒は染み渡り、たった一本で千鳥足になってホテルに帰る。
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本日到達した都道府県。
山口、福岡
(33/47)
※橋は高速道路で、トンネルは国道、途中で9号から3号に変わります。
なぜトンネルかといいますと、そりゃ費用の問題ですよ。
作品名:鉄の馬で日本を駆けろ! 作家名:八馬八朔