鉄の馬で日本を駆けろ!
八月十一日 今後の針路
久しぶりのテント泊。周囲は家族連れ等で朝から賑やかだ。野宿と比べて回復の度合いは大きい。やっぱり人間は外で寝るようには出来ていないのかな。やっぱり危険だと頭のどこかにあって頭は完全に休まっていないのだろうか?
鳥取を西に向けて出発、「日本のハワイ」といわれる羽合温泉を通りぬけ、右手に山陰の名峰「大山」を見ながら米子を通過、島根県に突入する。この近くには出雲大社がある。伊勢神宮にならび、日本でも有数の神社だ。島根県では10月のことを神無月ではなく「神有月」というそうだ。というのも日本中の八百万の神様が島根の出雲に集まるからだそうで、それだけここは古く、由緒ある神社だということなんだろう。
本殿の入り口にあるしめ縄にお金を投げて、縄に食い込んで落ちてこなかったら恋愛は成就し結ばれるそうだ。
「よーっし、やってみよう!」
と早速お金を用意。特定の相手はいないけど、いずれ現れるかもしれない運命の人、
「さあ、ピッチャー振りかぶって第一球を……」
投げるとこれが、何とお金は落ちなかったのだ。これはいいことあるぞ、現在特定の人はいないのだけど……。いずれはね。
それから国道9号線で単車を西に進め、浜田市の道の駅にたどり着く。当時高速道路のない山陰地方では設備がしっかりしている道の駅だ。この先暗い道を走っても条件の良い野宿ポイントが見つからないかもしれない。山形から新潟を走った時に経験した教訓である。
「だったら、早いけど今日はここまでにしよう」
と判断して、ここで泊まることを決めた。
* * *
そこで時間のできた僕はこの先の計画をたてることにした。
現在の目的地はそう、南の端沖縄県だ。沖縄へは当然フェリーで行くことになる。ちょうど盆時なので早めに確定した方がいい。
実はフェリーは仮押さえをしていた。キャンセル料が発生しないのは三日前まで。押さえていたのは14日から17日、この先目的地までの時間を決めておけば旅のペースがつかみやすいので、沖縄行きのフェリー乗船を15日の夕方、そして帰るのは18日の朝と決定した。本当は石垣島までいってみたかったが、資金も時間もちょっと厳しい。本島まで行けるフェリーを確保できただけでも良しとしなければ、です。
というわけであと4日で鹿児島に着けばよいことになった。
* * *
本日到達した都道府県。
島根
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作品名:鉄の馬で日本を駆けろ! 作家名:八馬八朔