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きみのもとへ

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で、話は オレの話。
オレの心に決めたヒトに 『心を込めて『赤い印』を刻もう』

忘れてませんよね?
オレは 蚊。

ずっとあのヒトといる方法として オレが赤い印を刻んでは バチッと されることなく 身をかわし離れる。
オレが そのヒトのそばにいられるようになるまでオレは 寄っては 刺して 離れ
オレの免疫を 覚えてもらうんだ。

あぁ、早く最終段階に行きたーい!

よく刺されている人ほど、ステージは早く進行するらしいんです。
お互いに蚊じぃちゃん 可愛いばぁちゃんになる年齢までに きめるぜ。

あ、そこのキミ。
あくまでも 言い伝えですからね。
個人差があるから無理しないで 虫よけスプレー 蚊取り線香 オレのいないところで使っていいよ。

最後に 声を大にして言う。
「くれぐれも オレの居ない所で 使ってくれぇ―」

あ、あのヒトだ。

ぶぅーーーーーん


バチッ。

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     ― 了 ―
作品名:きみのもとへ 作家名:甜茶