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海野ごはん
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小雪日記

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小雪日記






彼女が毎日降りる駅でのことだった

「もう お別れしない。。。?」彼女が切り出した

僕は聞き間違いだったのかと思い 彼女の顔を見て

「どうして?」と聞いた

彼女が次の言葉を言おうとした時 急行電車がそばを走り過ぎ

彼女の声が掻き消された

「えっ 聞こえなかった・・・」僕は も一度聞いた

彼女は同じ言葉を言いたくなかったのか 

下を向き泣いていた そして 僕を後にすると ゆっくりと

駅から自宅までの道を歩き出した



振り返ってはくれなかった

空からは小雪が舞っていた

雪は彼女の黒い長い髪に落ちては溶けていた






彼女とは1年余り付き合った

そして僕は2か月前 浮気をした

慕ってくる女性の誘惑に乗り 彼女を気にしながらも

土曜日の夜の喧騒と 酔いにまかせて抱いてしまった

そして それがばれた

彼女は大泣きした

しばらく怒って連絡がつかなかった

携帯電話のないあの頃 自宅に電話するも出なかった

心配だった

軽率な行動を悔やんだ

作品名:小雪日記 作家名:海野ごはん