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美脚トンデモ三人娘(後編)

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 「バレーボール一筋でエッチを知りません。これでは東京で笑われます。責任を取って下さい。私たちとエッチして下さい。コーチしかありません。お願いします!」
 一斉に頭を下げた。ビックリ仰天のコーチ。
 「こ、こんな所で何をいうんだ?!」
 優柔不断な態度にアキが迫った。
 「お願いします、エッチして下さい。部屋に入れて下さい。」
 「ダ、ダメだ、絶対ダメだ!」
 押し入ろうとする3人、必死で阻止するコーチ。
 入れて!ダメだ!入れて!ダメだ!もみ合っていると隣室の小母さんが出てきた。
 「いい加減にしなさい!止めなさい!」
 裸同然のコスチュームに小母さんは顔を背けた。
 「マア~イヤらしい、その格好!」
 「エッチしてとか、入れてとか、女の子のいうことですか?恥です!女性の恥です!あなたたち恥ずかしいと思いません?!」
 太った小母さんの贅肉が怒りで震えている。通路の3人娘は寒さで震えている。コーチが平身低頭で謝った。
 「お騒がせしてスミマセン。この子たち、大学に合格して浮かれてるんです。身体は一人前だけどまだ子供で・・許してやって下さい、スイマセン。」
 「こんな子が大学に行く?大学って何なの?」、「この寒いときに夏のような格好して、発情した子を抱えて先生も大変ですね。」
 ハンサムなコーチに同情して戻ろうとしたとき、ミホが突然、クックション!!怒髪天を突く勢いで小母さんが戻ってきた。
 「あなたたち、分かっているの!」、「もう許せない!絶対許さない!親御さんと話しましょう。さあ、家に連れて行きなさい!」
 ガタガタ震えていたアキもハクション!慌ててコーチが毛布を掛けて回り、サエが鼻声で謝った。
 「バカにしたんじゃないんです。クシャミが出ちゃたんです。大事なときにスミマセン。ゾクゾクして風邪引きそうです。家に帰って反省します。許して下さい。」
 勘違いに気付いた小母さんは突然優しくなった。
 「あなたたちはこれからなのよ。女は子供を産むのよ。誰の子供でもいいわけないでしょ。求められ、愛されて子供をつくるの。もっと自分を大切にしなくちゃ、分かった?」



 トンデモ3人娘が上京して3年半になる。
 長身美脚、誰もが振り向くアジアンビューティだから、言い寄る男に事欠かず、今となってはコーチにエッチを頼んだことが信じられない。
 しっかり者のサエは攻めるのが好きで女王様、現在3人の貢ぐクンを従えてブイブイいわせている。法学部に進み警官志望である。
 奔放なアキは外国語学部に進みツアーコンダクターを希望しているが、海外放浪を繰り返し世界の男を股にかけてきた。目下、外人と同棲している。
 巨乳のミホは一見派手だが、地味な性格で社会学を学び公務員志望である。男に入れ込むタイプで、バイト先の上司と不倫して悩んでいる。
 コーチと会うことになった夕暮れ、ミホはどんなお礼をするのか尋ねた。
 「今度こそちゃんとしたお礼をするでしょ、どうする?」
 アキはカラオケでいいじゃんといったが、サエは賛成せず
 「元気な姿が一番のお礼じゃないかな。花束をプレゼントして就活姿を見てもらう。それでいいでしょ。」
 異議なし!3人は花束を買うと高層ホテルに入っていった。
 ロビーに入るとコーチが立ち上がった。元バレー選手で長身だからすぐ分かる。高校時代のように駆け寄った。
 「ワア~会えて嬉しい!凄く嬉しいです。」
 「全然変わってない!格好いい。」
 サエが花束を差し出した。
 「ご無沙汰しています。大学4年になりました。就活中ですが、今の私たちはコーチのおかげです。お世話になりました。ありがとうございました。」
 にこやかに受け取ったコーチは相変わらず爽やかである。
 「随分大人になったな~黒いスーツがよく似合う。出来る女って感じだ。良かった、良かった。食事にしようか。積もる話があるし、サプライズもある。」
 サプライズ?・・コーチはニヤリと笑ってレストランに案内した。
 「ホラ、サプライズだ。」
 奥のテーブルで禿げ頭が手を振っている。
 「オ~イ、ここだ!ここだ~っ!」
 あの禿げ頭、あのだみ声、監督である。
 ア~アと思ったが、そんな素振りは少しも見せず、「わあ、嬉しい!」、「会いたかった!」「お世話になりました」と抱きついた。相好を崩した監督は娘のように抱き留めた。席に着くなり身を乗り出した。
 「呼び出したのは報告したいことがあるからや。お前ら以来、バレー部は低迷していたが、コーチのおかげで全国大会に出場できるようになった。今回もその件で上京している。バレー部が復活したことを報告したかった。今年の全国大会はぜひ応援に来て欲しい。」
 それからコーチを見やった。
 「これも嬉しいことや、コーチが正教員に採用された。ワシはバレーボール協会で忙しいから、バレーの指導はコーチに任せていたが見事優勝した。それが理事長に評価されたらしい。」
 「ワア、凄い!お目出とうございます。」
 「晴れて正教員!私たちもあやからなくちゃ。」
 「今日は全国大会出場と正教員採用のお祝いですね。」
 賑やかな会食が一段落すると、監督が祝賀会だと隣室のカラオケルームに誘った。アキが大喜びでmikeをやろうと準備しているとき、コーチに電話が入った。
 「ゴメン、すぐに戻って来るから始めて下さい。」
 慌てて出て行くコーチ、何となく気落ちする娘たち。酒の入った監督がダミ声で急かせた。
 「ドンマイ、ドンマイ。夏祭りでハメを外した歌を聞きたい。あの時みたいに派手にやってくれ!」
 高校時代のお礼といえば、まずは3年間お世話になった監督である。コーチよりも彼を優先しなければならない。気持ちを切り替えたサエがマイクを取った。
 「お待たせしました。お世話になった監督のために歌います。mikeの『思い出の九九里浜』」
 mikeは70年代GSのコピー曲で監督世代に受けている。脳天気なエレキサウンドに3人娘は腰をくねらし、時々スカートをたくし上げたりした。太もも露出に監督は大喜び、スケベ親父に変貌した。
 「イイぞ、イイぞ、ノーブラだ~っ」
 蒸し暑い梅雨時である。ノリのいいアキがブラウスをはだけた。
 「なんか熱くなっちゃった。ブラを取っちゃいま~す。」
 ミホは一瞬ノーブラ試合のことが横切ったが、2人にならってブラジャーを外した。
 次の曲は『ブルーライトヨコスカ』。アキが気分タップリ「車を停めてエッチをしている」と歌った。松尾和子の暑苦しさである。男役のサエがマイクでミホを小突くと、アフ~ン!ため息交じりに身をくねらせた。昔と違ってエッチしているからリアルである。監督の目が血走り頭が真っ赤、ゆで蛸になった。
 「イイぞ、イイぞ、次はTバックだ!」
 サエが確認した。
 「やる?・・大丈夫?」
 テンションを上げた二人はニッコリVサイン。Tバックは着用しているし、お尻を見せるくらいどうってことはない。サエもエキサイトしてしまった。
 「最後の曲となりました。感謝を込めて踊ります。・・でも、監督も裸になって下さいね。」