料理に恋して/カレー編
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うちの鼻がブタっ鼻になる。
新たな隠し味を求めて、
「くんくん」
「くんくん」
行けるかな?
傾げ過ぎた首が
「も、戻らない」
加奈子がうちを
ヘッドロックしては
右にゴキッ。
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「あなたたちって、
いいコンビね」
とよりによって、
すけりんから言われてしまう。
「コントっていうか、
寸劇を次々と見せられてるよう」
「お目が高い」
と言ったのはもちろん、
加奈子の方だった。
*
高槻キャンパスに出向いては
すけりんとスケートをする。
横に広がった三人が
手をつなぎ、壁面衝突。
コントな人生を
求め始めたすけりんのせい。
うちらは星を数える。
壁を味わう。
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同じNGOクラブかと思ったら、
スケート部とのこと。
熊さんの妹とのこと。
おいしい情報を知って、
自分だけで食べに行く、
兄が許せなかったとのこと。
初めて一人で来た薫ちゃんは
お代わりをして、
満足気に出て行くところ。
「おいしかった以上に、
カレーから数学にも目覚めたし」
「ゼロを見つけたインドだし」
「また絶対、来るわ」
太い手をひらひら。
「すけりんと一緒にね」
とファンの子がフォロー。
すけりんじゃなく、
薫ちゃんファンになった加奈子。
「どうも、中浜とか薫ちゃんとか、
ゲテモノが好きなのよねぇ、
あたしって」
うちは加奈子に必殺の
飛び蹴りを食らわしていた。
が、届かない。
「短い短い、脚が」
「知ってますよーだ」
子供体型のうちは
必死であかんべーをする。
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「青春、もっと輝け」
と祈祷を上げる。
ガスの炎も上げる。
銅のお鍋が下から
青い炎に愛撫される。
うちの気持ちまで
くすぐったくなり、
ポコポコ泡立つ。
作品名:料理に恋して/カレー編 作家名:紺や熊の