小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

料理に恋して/カレー編

INDEX|32ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 

         13

 うちの鼻がブタっ鼻になる。

 新たな隠し味を求めて、
「くんくん」

「くんくん」
 行けるかな?

 傾げ過ぎた首が
「も、戻らない」

 加奈子がうちを
 ヘッドロックしては
 右にゴキッ。


         14

「あなたたちって、
 いいコンビね」
 とよりによって、
 すけりんから言われてしまう。

「コントっていうか、
 寸劇を次々と見せられてるよう」
「お目が高い」
 と言ったのはもちろん、
 加奈子の方だった。

         *

 高槻キャンパスに出向いては
 すけりんとスケートをする。

 横に広がった三人が
 手をつなぎ、壁面衝突。

 コントな人生を
 求め始めたすけりんのせい。

 うちらは星を数える。
 壁を味わう。


         15

 同じNGOクラブかと思ったら、
 スケート部とのこと。
 熊さんの妹とのこと。
 おいしい情報を知って、
 自分だけで食べに行く、
 兄が許せなかったとのこと。

 初めて一人で来た薫ちゃんは
 お代わりをして、
 満足気に出て行くところ。
「おいしかった以上に、
 カレーから数学にも目覚めたし」
「ゼロを見つけたインドだし」
「また絶対、来るわ」
 太い手をひらひら。
「すけりんと一緒にね」
 とファンの子がフォロー。
 すけりんじゃなく、
 薫ちゃんファンになった加奈子。

「どうも、中浜とか薫ちゃんとか、
 ゲテモノが好きなのよねぇ、
 あたしって」
 うちは加奈子に必殺の
 飛び蹴りを食らわしていた。

 が、届かない。
「短い短い、脚が」
「知ってますよーだ」
 子供体型のうちは
 必死であかんべーをする。


         16

「青春、もっと輝け」
 と祈祷を上げる。

 ガスの炎も上げる。

 銅のお鍋が下から
 青い炎に愛撫される。

 うちの気持ちまで
 くすぐったくなり、
 ポコポコ泡立つ。