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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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花は流れて 続・神末家綺談4

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願いは一つ。揺るがない。何千年と願い続けてきた。それを叶う日を願って、こうしていくつも時代を超えてきた。

「・・・それが約束だ。おまえと、俺との」
「伊吹と生きる未来を捨てて?」
「・・・・・・未来はほしくない。俺は、過去を贖(あがな)ってもらうのだ」

思い出せ。思い出せ。思い出せ。

「俺を、俺たちをこんな目に合わせたおまえたち一族に、贖ってもらう。それが、約束だ」

思い出せ。

自分がどうして生まれて、どうして死んで、どうして式神となったのか。

ともに生きる未来など。
そんな選択始めからありはしない。

(忘れてはいけない。俺はなんのために、穂積というお役目が現れるまで神末に仕えてきたのかを)

伊吹の笑顔に霞んでしまう。手の温かさに消えてしまう。
惜しんで慈しむことがこんなにつらいなんて知らなかった。

それでも瑞が願うのは、伊吹との未来じゃない。ともに生きる時間じゃない。