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アキちゃんまとめ

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嗚呼素晴らしき薔薇色の日々


初めて「そういう風」に触られたのは、初潮がきて困っていたときだったと思う。アキちゃん、と優しく私を呼んだやすともが、泣かなくていいヨって言いながら抱き上げてくれた。それがどんなに嬉しかったか、きっと私はまだ全部をやすともに伝えることができていない。

スカートの染みをどうすればいいか分からなくて、でも家に帰ってお姉ちゃんに相談するのも怖くて、帰り道にあるやすともの家の前で蹲った。お尻に嫌なぬるっとした感覚があって、泣きたくなったのを覚えている。たまたま早めに帰れる日だったからなのか、やすともはドアの前でうずくまっている私を見て「アキちゃん」と呼んだ。私はやすともにしがみついて、よくわからないままわんわん泣いた。
やすともにはちょっと年下の妹ちゃんがいたんだってことを私はそこで教えてもらった。汚れたパンツをスカートをやすともが洗濯機に入れてくれて、私はその間、バスタオルを下に敷いたベッドで休んでいなさいって言われた。やすともがいつも使ってるベッドでは落ち着かなくて、何度も寝返りを打って、そのたびにタオルやベッドが汚れてないか起き上がってを繰り返しているうちに、バタン、と玄関のドアが開く音がした。はっとして顔を上げれば、タダイマ、と言って私に、これ以上なく顔を近付けてくるやすともと目が合った。

「やすとも……?」

不安でぐずぐずになっていた私の顔中に、やすともが優しくキスをしてくれて、瞼もほっぺたも鼻の先も、唇も、なんだかそこから全部溶けていってしまいそうだった。よく分からないけれど背中がむずむずして、縋りつくようにやすともの胸にしがみついた。やすともは少し喉で笑って、私に覆いかぶさってずっとキスをしてくれた。窓の外から入り込む夕日がやすともの睫毛に反射して、綺麗だなぁと思ったことをよく覚えている。パンツもスカートも履いていなかった私はやすとものTシャツ一枚だけしか着ていなくて、するするとぺったんこな胸やお尻を撫でられてただただドキドキした。
やすともが「これは俺とアキちゃんだけの秘密だからネ」って囁いて、私は何度も頷いた。やすともの声はとっても優しくて、聞いているだけで頭のなかがぼうっとして、これ以上ないくらいにドキドキした。

「……ふぁ、ぁ」
「アキちゃんはね、今日、きちんとした女の子になったんだよ」
「……?おん、なのこ?」
「そうだヨ」

ふ、とやすともが笑う。だからそれはとても良いことなんだって私は凄く嬉しくなった。私が安心したのが分かったのか、やすともはするりと私の着ていたTシャツを脱がして、私を後ろから抱きしめた。裸なのは少し寒く感じたけれど、やすともがぴったりとくっついてくれて、また嬉しくなる。膝の間にすっぽりと座ってしまうと、自分のお尻の下にあったタオルに赤いシミができているのが分かって、かあっと頬が熱くなった。
やすともは買い物袋からゴソゴソと新品の、かわいらしいパンツを取り出して、そこに不思議なものをぺたりとくっつける。確か保健の授業で見た。ナプキン、というやつだ。

「タンポンっていうのもあるケド、アキちゃんには痛いダローから、今度俺と練習してからネ?」

こくん、と私が頷くと、やすともがするするとパンツを履かせてくれた。ごわごわしてて、なんだか落ち着かない。もぞもぞとお尻の位置を直していると、やすともが後ろからキスをしてくれた。やすともの唇はちょっとひんやりしていて、薄くて、でも触れた所からどんどん体が熱くなっていく不思議なキスだった。
そのままパンツ一枚の私をやすともはずっと抱きしめていてくれて、やすともの匂いのするシーツに包まりながら髪の毛にも耳の後ろにも膝の裏にも足の指先にもキスをしてくれた。頭がぼんやりして、こんなになんにも考えられないのは初めてだった。だからそれを素直にやすともに言ったら、そっかァなんてちょっと楽しそうに笑った。私はむっとしたけれど、やすともが胸を優しく揉んでくれて、かわいいねって何度も言ってくれたから許してあげた。やっぱりやすともは笑ってた。
乾燥機の終了メロディが鳴るまで私はずっとやすともの優しい手のひらにぐずぐずに溶かされていて、それが鳴った瞬間、残念だなって思った。やすともは私を抱っこしながら脱衣所まで連れてってくれて、まだ少しあったかいスカートをはかせてくれる。スポーツブラとシャツは汚れてはいなかったから、最初にやすともに脱がしてもらってからずっと脱衣所のカゴの中にあった。
私はやすともにアリガトって言って、服を着る。でも自分の一番大事で恥ずかしいところに履いているのが、さっきやすともが買ってきてくれたパンツなんだって思うとなんだかとってもくすぐったくて恥ずかしくてやすともの顔をよく見れなかった。
やすともはナプキンの使い方を教えてくれて、これも持っていくとイイよって、空色のポーチもくれた。パパやママに買ってもらうの恥ずかしいデショ、ウチにおいとくよ、ってやすともが言ったので、私はこくんと頷いて、もし明日学校でナプキンを使ったらやすとものところに取りに来るって約束をした。

玄関のドアの内側で、やすともが私の名前を呼ぶ。

「……これは二人だけの秘密だヨ。パパにもママにもお姉ちゃんにも、今日あったことは言ったらダメだヨォ」

うん、と私は言う。そうしたらやすともは良くできましたって言って、また私にキスをしてくれた。
これが、やすともと私の、不思議な関係の始まりだった。




※ゲス北さん(光源氏計画遂行中)×アキちゃん(頭がよわい)
作品名:アキちゃんまとめ 作家名:こうじ