魔九志夢(まくしむ)のアド・ミス物語
「みなさん、お弁当食べたから、遊んでいいよ」
先生がピカピカの1年生に告げました。児童たちはワァーと大きな声を上げて、森林公園の広場へと走りました。今日は楽しい遠足です。その中に仲の良い6人の子供たちがいました。
「みんな、こんな所に抜け穴があるわ」
広場の縁を歩いてた織美亜が手招きをしてます。これに真九志夢(まくしむ)たちが駆け寄ると、雑木の中に50センチくらいの穴がぽっかり開いていました。
「向こうへ行ってみよう」
ガキ大将の真九志夢が提案すると、元気の良い織美亜(おりびあ)と安渡玲(あんどれ)は「うん」と二つ返事です。しかし伽沙凛(きゃさりん)と剣斗(けんと)は「先生に叱られるよ」と身体をモジモジさせています。そして泣き虫の麻里鈴(まりりん)は「ママ」とぐずりだしました。魔九志夢は「僕がいるから大丈夫だよ」と麻里鈴の手を取り、「さっ、冒険だ」と穴に身を潜らせました。
10mほど進んだでしょうか、そこに出口があり、全員抜け出すと、目の前に新緑萌える世界が広がっていました。目を懲らすと、大きな木の下に、鹿さん、兎さん、熊さんなど森のありとあらゆる動物たちが集まっていました。どうも集会をやってるようです。
作品名:魔九志夢(まくしむ)のアド・ミス物語 作家名:鮎風 遊