魔九志夢(まくしむ)のアド・ミス物語
なんと木々たちがブルーの花吹雪を巻き起こし、嬉しい歓迎の歌を唄ってくれてるではありませんか。そしてそのトンネルをくぐり抜けると、お菓子の館がドーン! 壁チョコに椅子饅頭、そして時計アイスと、もう何もかもがスイーツ。こんな甘〜いおもてなしに魔九志夢たちのほっぺはポトリと落ち、ハッピーでした。だけど長居は不可。「もう帰らないと」と暇を告げると、ミケニャン婆さんが説明してくれました。
「太古の昔に地球観測のために、円筒型UFOでやってきたけど、墜落しての、地球に突き刺さったんだんべ。だからこの島の内部は今でもコンピューターだらけ、今度来たときゃ、地下を案内してやっから」
「へえ、みんな高度な宇宙人なんだ。だから喋るんだ」とおったまげる魔九志夢たちに、今度はお土産にとピカピカと光るものを手渡してくれました。
「えっ、これって?」
目を丸くする魔九志夢たち、それにミケニャン婆さんは「徳川埋蔵金の大判小判だべ。運搬中に船が嵐に合い、この島へと流れ着きよって、そこで、この婆が預かったんだんべ。もう遠い昔のこと、時効となりやんしたから、お前たちに全部やろうぞえ」と話し、古い地図を渡してくれました。
トレジャーハンティング、みんなが躍起になって探してる宝物がこの島に眠っていたとは。子供でもそれは一大事だと理解できます。そんな魔九志夢たちに、ミケニャン婆さんは指をそっと口に当てました。
「シー…、ヒ・ミ・ツ」
作品名:魔九志夢(まくしむ)のアド・ミス物語 作家名:鮎風 遊