最後の孤島 第2話 『世界一の国から』
「残念だが、この島から出ることは不可能じゃよ?」
長老がジョーに忠告する。しかし、ジョーのほうは、一体何を言い出すのかという様子で、
「出られないわけないじゃないか! こんなに天気がいいのに!」
言い返す。いや、天気の問題ではないのだが……。
「とにかく! 私はこんな島から出る! それでどうなんだ! 人手を寄越してくれるのか!? いくら欲しい!?」
ジョーは、傲慢なアメリカ人らしい振る舞いを見せてくれる……。先ほどまでの丁寧口調が、きれいさっぱり消し飛んでいる乱暴な口調だ……。
「……そこまで言うなら好きにしたらいい。人手は用意してやろう」
長老は、慣れた様子で説得を諦めたが、どこか悲しそうだった……。
作品名:最後の孤島 第2話 『世界一の国から』 作家名:やまさん