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最後の孤島 第2話 『世界一の国から』

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【倉野 比奈】(1)



 私は、このセルカーク島での生活に早く慣れようとしていた。もちろん、これが簡単な話でないぐらいはわかってる。
 だけど、一生かどうかはさておき、ここでなんとか生活していかなきゃいけない。ダニエルにずっと頼っているわけにはいかないし。

 まず、ここは現代の文明社会ではない。電気も水道もガスも無く、コンビニやスーパーは古いチラシでしか存在しない。
 この島の人々は助け合い、自給自足の生活をしている。こう言うと、悲惨な生活だというイメージしか沸かないけど、みんな笑顔で、楽しそうに毎日の生活を過ごしてる。私よりも文明社会にどっぷり漬かって生活している人なら、幸せそうな彼らを見ても、悲惨な生活をしているとしか思えないんだろうな……。

 それはともかく、私の今の目標は、この島の生活に慣れるということしかない!