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ワルツ ~二十歳の頃~

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 一方的に彼女のペースに圧倒されて、気がつくと部屋に一人ぼうっとしていた。卓袱台に空になったグラスが寂しげに佇んでいる。俺は彼女が口をつけたグラスを掴んで匂いを嗅いだ。気のせいか言い匂いがした。俺はそっとグラスの縁に口をあてて、すぐに離した。罪悪感と屈辱感が混じって、その感情に身を任せていたら涙が出てきた。
 ――彼女が欲しい―― 思いは切実なものになってきた。俺は虚脱感とともに畳の上に寝ころんだ。まだ頭の中に「脱ぐ?」と言って俺を見た姿とその後の悪戯っぽい顔が浮かんでくる。想像はさらに妄想となり、彼女がノースリーブのワンピースを肩から滑り下ろす。小さな丸い肩が現れる。さらにもう片方。なんという魅惑的な曲線だろう。彼女は
胸のちょっと上まで下げたワンピース姿で後ろを向いた。スッと伸びた背筋の力強いラインが素晴らしい。
 ――想像だけだからいいだろう―― と言い訳をしてさらに妄想はエスカレートする。
俺は彼女の背中に近づきワンピースのファスナーをゆっくりと下げ始めた。少しずつ背中から腰のラインが見えてくる。緩やかなカーブがだんだんと意外に大きな尻の丸いラインに近づく。彼女の手は胸を押さえている。酔ってしまうような甘く妖しい匂いと肌のきめ細かさ、脇腹からお尻への蠱惑的な曲線で俺の一部が凶暴化し始めている。絵描きの卵という視線からオスの視線へと変わって行く。
 俺は背中からお尻の境界線上に手を伸ばした。力強さと柔らかさ、さらにカーブに沿って動かした手でスイッチが入ったように彼女が顔をこちらに向ける。身体もそれに従ってこちらを向いた。胸元でワンピースを押さえていた手が離されて全身が露わになった。片手を胸に片手を下の大事な所に置いてちょっと身体をS字状にして立っている姿に、またオスから絵描きの視線へと変わった。
 ――美しい―― 俺はしばらくボーッと見とれてしまう。それも長くは続かない。再びオスの視線が、そして妄想の俺は隠していた所から彼女の手を取り払う。悲しいかな女性経験の無い俺の妄想は、彼女にリードを任せて仰向けでなすがままになる。