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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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第1章  6話   『フォーリア国とシェルリア国との紛争』

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「ほら、あいつ…ヒカリだったな。あいつ小生意気で自分勝手、それでいてムカつくし、ミナと違って全然優しくないしさ。それに俺を無理やり協力させようとしたしな…」

「ふふふ♪そんなことないんですよ。ヒーちゃんは本当はすごく優しいんですよ~」

ヒカリも自分でそう言ってたな。…ホントかよ。激しく疑わしいぜ。

「でもまぁ、ミナは、ちゃんと思いやりあって優しいのを俺はよく知ってるからな。だからミナだったら俺は協力してやってもいいぜ」

「…ヒナちゃん。…はい、ありがとうです。そう言ってもらえて嬉しいです」

ミナはまるで向日葵のような満面な笑みでにこーっと微笑んでいた。
ホント、ミナはとてつもなく純粋でこんな風に本当に嬉しそうに喜んでくれる。これだから協力してもいいって本気で思えるし、この笑顔を見ると報われる気がするもんな。

うん。ヒカリのヤツとは大違いだぜ。

「まぁ、そういうことだ。俺は自分からは何も関わるつもりは毛頭ないが、ミナが困ってたらそん時は力を貸してやってもいいからな」

「はい。その言葉だけで私はとても心強いです。では、もし、本当に困ったときがきたらそのときはお願いするかもです」

「あぁ、任せろ。…まぁ、出来ればそんなことにならないに越したことはないけどな」

「そうですね。私もそう思います」

ミナはくすくすと可愛らしく微笑んでいた。

「んじゃ、そろそろ帰るか。俺もう今日はいろいろあってへとへとだぜ。帰ったら即行寝させてもらうぜ」

「ふふふ。ヒナちゃんらしいです。私も今日は転校初日でいろいろとどたばたして疲れましたし」

ミナは、腰をぽんぽんと叩いて、大きく伸びをして疲れたーという仕草をしていた。

「ははは。じゃ、帰ろうぜ」

「はい。あの、ヒナちゃん?」

「何だ?ミナ」

なぜかミナは楽しげな表情を浮かべていた。
…なんだ?

「その、家までどっちが早く着けるか競争しませんか☆?」

ミナの目がキラキラ輝いていて、今にも目から流れ星が降ってきそうな勢いであった。
…ってまだそんなことする体力あるのかい!?というかただミナがやりたいだけなのか。
しかし、俺にはそんな気力は1ミリもないのだよミナ。俺は、もう立ってるのが限界なんでね。

だから、目をキラキラと光らせてるミナに俺は、

「…やりません」

「うぅ…そんな~ダメなんですか…あぅぅ」

上目遣いに、まるで小動物のようなくりっとした瞳で、うるうると瞳を潤ませ俺を見つめる。
うぅ…。そんな目で俺を見つめないでくれ、頼むから。

「ひぃーん……楽しみにしてましたのに…残念です」

がくっと残念そうに肩を落とすミナ。
…ってそこまで楽しみだったのか!?

「…しょうがねぇな。その代わり軽くで頼むぞ。俺はそこまで体力が残ってないんだからな」

「はいっ!わかりましたっ!ありがとうです~!ヒナちゃん!」

さっきの悲しげな表情から一転して、にぱぁっと明るく微笑んでいた。
ホント、ミナは可愛いヤツだな。こんなことで至福の表情みたいに嬉しそうに笑ってよ。

「いいですか~ヒナちゃん?スタートの準備できましたか?」

「あぁ、準備オーケーだ。いつでもいいぞ」

「そうですか。では、よーーい………どーん!!」

ミナはパタパタと全速力で家に向かって駆けて行った。…って軽くって言ったよな。

「…やれやれ。ほんじゃ俺も行くとしますか」

俺は極力軽くでミナに続いて家まで向かうのであった。




「あぁ~ダルい…身体中痛みの悲鳴の大合唱だぜ」

今日あれだけ動き回ればそれはまぁ当然の結果なんだが。
…チェックメイトはミナとの競争だったな。
あれは、俺の身体に多大なるダメージを与え、俺を瀕死の状況に陥らせたのだ。

俺がふらふらになってるのとは逆にミナはすごく満足そうな笑顔で微笑んでいたけどな。
まぁミナが楽しんでるのなら俺はそれでいいし、それに安心できるしな。
ミナも転校してきたばっかだが早く慣れて、俺たちやクラスの皆と楽しく過ごせればいいよな。

…まぁ、そのためにはあの重度の人見知りをどうにかしないとだが…。
あれを克服するにはちょっと厄介だな。
あれには至難の業を要しそうだからな~。今ちょっと様子見して少しずつ直してやってやろう。俺だけじゃおそらく無理だから冬姫たちの協力が不可欠だな。今度みんなに相談してみるか。

「しかし、ホントもうダルいな。もう今日はこのまま寝ちまおうかな」

風呂は…まぁ、明日朝早く起きて入ればいいや。
もうホント身体ガタガタでもう動けませんよ。

「んじゃ、そういうことで……おやすみ」

俺は、部屋の電気を消そうと、スイッチのある俺の部屋入り口まで最後の気力を振り絞り何とかそこまで辿り着くとスイッチを消そうと手を伸ばす。そのとき、

-トントン

「うぼぉわぁ!!」

「お兄ちゃん~♪お風呂空いたよ~♪早く入っちゃい…ってお兄ちゃん何こんなとこで寝てるの?風邪ひくよ~」

「寝るかぁこんなとこで~ッ!!あ…明日香ぁ~!お前またノックもしないで急にドア開けやがってぇッ!危うく今ちょっとお花畑がチラっと見えちまったじゃねぇか!」

「あははははは♪お兄ちゃんったらまた冗談言って~♪こんなとこで寝てるからそんな変な夢見るんだよ~♪ちゃんとベッドで寝ないといけないんだよ♪」

いやだから、お前がいきなりドア開けたから、それに俺はクリティカルヒットしたわけで。…って言っても無駄だな。ってか聞いてないし。

「んで、何の用だ?俺はそろそろ寝たいんだが」

俺は、ドアに鼻をぶつけたので鼻を擦りながら明日香に訊く。

「そうだと思ったからこうやって呼びに来たんだよ♪ほっとくとお兄ちゃんそのままお風呂入らないで寝ちゃうからね♪」

「おう~わかってるじゃないか。んじゃ、そういうことだ。俺はもう寝るからまた明日な。おやすみ」

そう言うと俺はすちゃっ!と右手上げると反転してベッドに戻ろうとする。

「あぁ~!ダメだよ!寝ちゃ!ちゃんとお風呂入ってからじゃないと寝ちゃダメだよ~!ほら~お兄ちゃん…早く…お風呂済ませちゃいなよ~」

明日香は俺の服を掴んでぎゅうぎゅうと引っ張ってきた。…って首絞まってる…うぅ。

「わかった…わかったから!服引っ張るの止めて…くれ。絞まってるから…マジでヤヴァイって…苦じいぃ」

「あぁ~お兄ちゃんごめんごめん♪」

そう言うと明日香はぱっと俺の服を放してくれた。

「はぁ…はぁ…はぁ~。明日香、お前無茶やりすぎだぜ。今のは本気でヤヴァかった。今度は綺麗なお花畑に綺麗な女の人が手をこ招いて俺を呼んできたぜ。危うくそのままあの世の世界にダイブするとこだった」

「むぅ~~。お兄ちゃんが他の女の人と浮気した~」

明日香は頬をぷくっと膨らませて、むくれた表情をして俺を見つめていた。

「するかぁッ!!」

俺はまだあの世の住人にはないりたくないんでね。…っていうか浮気って…。

「まぁ、取り敢えず風呂入ってくるわ。もうホントに身体へとへとだからな。とっとと入って寝るわ」

「あはは♪それがいいね♪一人で身体洗えないならボクが手伝ってあげるよ~♪」