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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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第1章  5話  『少女との再会』

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「…大丈夫か?…悪いな!間違ったファイル開いちまったみたいでさ~。ははは」

「どこをどうやったら間違えるんだ!?」

「まぁそう言うなって。今度は大丈夫だからさッ!」

俺は、親指をビシッと立てて、爽やかな表情で笑ってみせた。

「……本当だな?」

「あぁ、任せろッ!」

俺は、そう答えると再び脳内コンピューターを起動させる。

…ぶぅぅぅぅぅん。
さぁ、今度は間違えるなよ。
検索開始ッ!!……検索中……検索中……検索中……。

「フ…。また、間違えられるのも面倒だからヒントをやろう!私と会ったのは昨日だ。…フフフ♪さらに、大ヒントをやろう。…フフフ♪また、会ったな小僧♪これがヒントだ」

『会ったのは昨日』、『また、会ったな小僧』これがヒントだな、よしッ!
これに該当するモノを再検索だッ!!

ぶぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…。
…ピコン。該当するファイルが2件あります。
くッ……2件か。1件ならよかったモノを…。まぁ、せっかくだ2件ともやってやるぜ!!

ここはまず最初に思いついたこれしかないだろう。…よしッ!これでいこう。
そう思うと俺は、そのファイルを開き、そして、データを再生させる。

「おッ…お前はッ!!」

「フ…。やっと思い出したか」

女の子は、再びにやりと微笑んだ。そして、

「マジカル☆ロリカル♪(ギャルゲー)の美城ゆいッ!!」

-ズガァァァドォォシャーン

女の子は、まるでリアクション芸人のごとくド派手にすっ転んだ。

「しまったッ!また間違えたぁッ!これは、この前かえでん家行った時のかえでの会話内容だッ!…く、よりによって『かえでファイル』を開いてしまうとは…一生の不覚だ」

「うぅ…いたた。…くぅ…貴様、またかっ!」

女の子はさらに大きなコブをつくり痛そうに頭を擦りながらゆっくり立ち上がる。

「すまんッ!ホント悪い!また、検索ミスっちまったようだ」

「だから、どうしたらそんな間違いが出来るんだ?…ワザとか?なぁ、絶対ワザとだろ?」

女の子は、じとーっとした目で俺を見つめていた。

「ワザとじゃねぇってッ!ホントにマジでッ!ちょっと俺の脳内検索エンジンの調子が悪いようだ…」

やっぱ2つ目の方だろうと思い実践してみる。…よし、そうに違いないッ!いざッ!
そう思うと俺は、後の方のファイルを開き、そして、データを再生させる。

「おッ…お前はッ!!」

「フ…フッ…今度こそ思い出したか」

女の子は、殺気に満ちた冷ややかな瞳で口元だけ微笑んでいた。
これはもう間違えられないぞ。ふざけた回答でもしようなら俺の身が危ない。
正解であってくれ!!っと祈るばかりだ。

「お、お前は(ry」


-ピーンポーンパーンポーン!!

<<しばらくお待ち下さい>>


「フン!!」

見ての通り、回答を間違えた俺はこの少女にボコボコにされました。
問答無用で殴る蹴るの暴行を受け、何とか生還を果たしていたのだった。

「フ……まぁいい。それなら私が無理やりにでも思い出させてやろう」

女の子はそう言うと、トコトコと俺の方に近づいて来る。そして、俺の目の前まで来る
と俺に向かって手をかざす。…って何だ?また暴力なのか!?

「我、この者の記憶の欠片を繋ぎ扉を開き、ここに今こそ目覚めん!」

女の子は何やら呪文のようなモノを唱えると、途端に手が輝き始め、その光が俺の身体全体を包み込んだ。…って呪文??

すると、俺の頭の中で何やらそのときの記憶らしきものが引き出され俺に見せられる。
そして、数秒も経たずにその光は解けてしまった。

「どうだ?思い出せただろ?」

「って、あぁッ!!お前は昨日の謎の魔女っ娘お嬢ちゃんじゃねぇかッ!!それに何でお嬢ちゃんがここにいるッ!?」

「フフフ…。思い出してくれたのはいいが、途端に腹が立ってきたッ!!小僧、だから私をそのふざけた名で呼ぶなぁッ!殺るぞッ!」

よっぽどお気に召さなかったようで女の子は、憤慨気味なご様子だった。
…でもよ、それなら俺の『小僧』ってのもどうかと…。

「でも何でお前ここにッ?!…まさか!こんなとこで荒事起こそうってわけじゃ!?」

「安心しろ。今ここで何かやらかすつもりはさらさらない」

女の子は、不敵に笑みを浮かべながら、そう答えた。
…その笑みが凄く怪しいんだが。

「まぁ、それならいいがな。…だが、尚更、ここにお嬢ちゃんがいるのか謎んだが…そこんトコどうよ?!」

すると、突然、お嬢ちゃんは眉間にシワを寄せ、こめかみをピクピクとさせていた。
…どした?

「…貴様。…昨日私言ったよな?」

「昨日?俺にお嬢ちゃんが?…うーん、何か言ったか?」

さらに、眉間のシワが寄り、険しい表情に変貌を遂げていった。
そして、思い切り息を吸い込み、トコトコと俺に近づき、そして、俺の耳元でこう叫んだ。

「この私を愚弄するなああぁぁぁあああッ!!愚か者めええぇぇえええッッ!!」

お嬢ちゃんの馬鹿でかい金切り声が俺の鼓膜をつんざいた。
…マジ破れるって!

「っていつ俺がお嬢ちゃんのことを愚弄したよ?」

「…それだ」

「へ?…それって?」

お嬢ちゃんは再び俺の耳元までやってきた。
…ってまさか!!

「その『お嬢ちゃん』っていうふざけた呼び方に決まっているだろうがッ!!」

「ばッ…やめろッ!破れるッ…鼓膜破れるって!!マジで」

俺は怒りのボルテージMAXのお嬢…いや女の子をどーどーと何とか落ち着かせようと尽力を尽くす。そして、何とか落ち着いてくれたので、俺は女の子に機嫌を損ねないように、さりげなく聞いてみることにした。

「だったら何て呼べばいいんだよ?俺、お前の名前なんか知らないし」

「…そうだったな。ならば教えよう。一度しか言わないからよく聞けよ!私の名は、如月ヒカリ。ちゃんと覚えておけよ!忘れるなよっ!わかったか?」

ホント嫌だったんだなアレ…。

「あぁ、覚えとくよ。ヒカリちゃん…っと」

「おい…ちょっと待て。『ちゃん』っていうのは止めろッ!ちゃん付けされる覚えはないッ!ヒカリでよい!わかったなッ?」

だってよ…なぁ?

「わかったな!?」

俺の顔の前まで迫って、ヒカリはすごい目で睨みつけてくる。
…って顔近いわッ!

俺は咄嗟に後ろに一歩後ずさった。

「わかったわかった。だから、そんな怖い目で見るな」

「フン。…わかればいいのだ」

ヒカリは納得したのか憤慨モードを解除し、少し表情を柔らかくした。
…どうせなら極限までこいつを柔らかくしてくれると大いに助かる。
まぁそれはいいとして、

「んでヒカリ、聞きたいんだが結局どうしてここにお前がいるんだ?つーか何しに来たッ!?もしや、俺との勝負に負けたのがそんなに悔しくて再戦しに来たのか?」

俺は、不敵な笑みでにやりと微笑んだ。