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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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 オレは舞のブレスの波長を通って病室にやって来た。
 そして椅子に座ってるサイモンを見て言った。
「サイモン! 今すぐ止めろ!」
「無理だ。無理やり装置止めたら妹は二度と戻って来れねぇぞ」
「じゃあ今すぐ夢の中に入って連れ戻せ! それなら出来るだろ!」
「無茶言うなシスコン! こいつを動かせるのはオレ様1人だ。オレ様にだって出来る事と出来ねぇ事があんだよ!」
「だからって……」
 オレは簡易ベットに眠ってる舞を見た。
 久しぶりに見たけど天使を通り越してマジで女神だ。
 だがこの女神の眠りを妨げなきゃいけねぇ、写真1枚でも取っておきたいが、そんな場合じゃない。
 オレは舌打ちすると両手で舞の両肩をつかんで思い切り揺すった。
「舞! 起きろ、舞っ!」
「ちょ、タクミ君、止めなさい!」
「離してくれ千鶴ちゃん! オレは……」
 後ろからオレを羽交い締めにする千鶴ちゃんをオレは振り払おうとする。
 そりゃオレがサイコ・ダイブできないのは分かってる、だが何とかしたかった。
 オレは舞を救う為に地球に戻って来た。それなのにこれじゃ何の意味もねぇ、こんな事なら超能力全部覚えておくんだったぜ……
 そう後悔している時だった。
 アイパットを見ていたサイモンの目が眼鏡越しに見開いた。
「何だこりゃ?」
「何? どうしたの?」
 千鶴ちゃんは尋ねる。
「いや、今妹のダチの脳波に少し乱れがあった。妹が夢の中に入った時と同じだ。しかも2つ……」
「2つ? 1つはキュヴァスだろ?」
「じゃあもう1つは?」
「……分からねぇ、知らねぇ誰かが妹のダチの夢ん中に入ったとした思えねぇ」
 これはこれで凄い珍しかった。
 サイモンも不可思議な事に顔を顰めて左手で頭を掻いた。
 だけどこれはオレも分からなかった。
 一体何が起こってるって言うんだ?