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SAⅤIOR・AGENTⅡ

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「おっし、これでお終いだ」
 オレはサポーターの力で開店前から店の前で並んで待っている人達を眠らせるとドアを破って中に侵入した。
 まさに絵に描いた様な占い部屋に入ると部屋の奥の方から2人の人間がやって来た。
「何なんだ君達は? まだ開店前だ。出て行きたまえ」
「でないと警察呼ぶわよ」
 ま、当然の反応をする。
 だがオレ達にそんなのは通用しない。
 オレは首を傾げるとギルに言った。
「ギル、どっちだ?」
 するとギルから光が発せられると2人は目を眩ませて両手で顔を塞いだ。
 これはサポーターの能力の1つで、相手の生体情報や遺伝子情報をスキャンし、その星の住人に化けてる異星人を調べる機能だった。
『男の方だ。女の方は地球人だ』
「なるほど、占い師の女の方は傀儡と言う訳か」
 バイスは舌打ちするとセイヴァ―・アームズを取り出して刃先を向けた。
 それを見た女の方は顔を顰めて震えだした。
「な、何だ? 何々だお前達は? ちょっと、どう言う事だよ?」
 女はキュヴァスの肩と袖をつかんで揺すった。
 そりゃ一般人が見れば当然の反応だ。
 だがキュヴァスの方は違った。
 右手で女の腕をつかむと見開いた両目が光り、それを見た女はその場に膝をついた。
「なっ、テメェ」
 オレ達は眉間に皺を寄せた。
「やれやれ、意外と早く気付かれたものだな、今回はここまでか……」
「馬鹿言ってんじゃねぇ、二度とこんな事ぁやらせねぇよ!」
「甘いな、せめて貰える物は貰って行くとするよ…… ついさっき眠ったばかりの女子高生の綺麗な夢をな」
「何っ? それって……」
 心当たりがありまくりだ。
 その女子高生ってのは……
 そんな事を考えているとキュヴァスの体が赤い球体になると、女の中に溶け込むように入り込んだ。
「しまった!」
 奴は眠らせた人間の夢の中に入り込んで別の人間の夢の中に移動する……
 だけどオレ達にそれは出来ない、唯一それが出来るサイモンはいない。
 しかも奴が次に狙うのは……
「ちょ、これヤバいよ!」
「ヤバいなんてモンじゃねぇ、舞が危ない!」
 オレは大慌てでギルの通信機能を入れた。
「千鶴ちゃん、すまねぇ、実は……」
『ええっ?』
 オレの話しに千鶴ちゃんは驚いた。
「舞を止めてくれ! 舞じゃキュヴァスに会った途端終わりだ!」
『それは無理よ、今夢の中に入ったばかりなんだから……』
 千鶴ちゃんにとっても予想外なんだろう、声が震えていた。
 オレも賛成したし、しくじった手前文句を言う事は出来ない、だけど黙って待ってる訳にも行かなかった。
「とにかくそっちに行くぜ!」
「ちょ、タクミ!」
「悪ぃ、お前等は後から来てくれ!」 
 オレはファーランに言うと舞の元へテレポートした。