SAⅤIOR・AGENTⅡ
それから少し前に遡る。
駅前の占い所。
その一室に設けられた休憩所では2人の人間がソファーに座りながら札束を並べた四角いテーブルを囲みながら話していた。
1人はフードを脱いでフェイス・ベールを剥がした占い師、ウェーブのかかった肩まである髪に年は30代前半の…… 口紅を塗った口紅でタバコを吸ってる化粧の厚い女。
もう1人は20代後半から30代前半の長身の男で…… 癖っ毛で色黒のスーツ姿の男だった。
「いやぁ、ここまで儲かるなんて思わなかったわ、ネイロス・カード様々だよ」
「君のおかげさ…… 元心理学を学んでいた君の頭脳があってこそだよ」
「ところでこいつは何々だ? どんな仕掛けで想った夢を見せられるんだい?」
「それは企業秘密さ、それで君も俺も儲かるんだ。それで良いじゃないか」
「……そうだね」
2人が薄ら笑いを浮かべたその時だった。
突然部屋の外から物音が聞えた。
それは占い部屋の方からだった。
「何だ? 誰か来たのか?」
「まさか、ドアに鍵はかけてあるはずなのに……」
2人は扉を開けると占い部屋の方へと向かった。
作品名:SAⅤIOR・AGENTⅡ 作家名:kazuyuki